03: 異民族の王

03-01

 次に私が目覚めたのは、幾つか後の王国が異民族に侵略されて滅んだ後だった。人の血生臭い営みが、私を目覚めさせるらしい。異民族の王は厳重に封印を施された私を見つけるなり、滅ぼした王国の重鎮たちを使って試し切りをした。勿論、部下たちには見世物として、王国民たちには見せしめとして。いつの時代も、民衆というものは自分以外の血が流れるのを何よりの娯楽とした。自分に関わりのない者たちの悲鳴を聞くことで恍惚となった。誰かの命が無駄に消されていくことで快楽を得た。

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