03-02

 かくして私の刃によって両腕両足を切断された王と王妃は、私の呪いの力を受けて死ぬことすらできず、槍に串刺しにされた状態のまま三日三晩放置された。カラスや虫に食い荒らされてもなお、死ぬことも出来ずにいた王と王妃。二人の政治はつつましく、王国は豊かだった。にも関わらずその繁栄を享受していた民衆は彼らに罵詈讒謗ばりざんぼうを浴びせかけ、あまつさえ石を投げた。もはや泣き叫ぶことすらできなくなった二人は、通りかかった一人の魔女によって葬られた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る