02-07

 最後の魔女の遺体から首を切り離した直後、彼は狂った。彼に忠誠を誓っていたはずの臣下を次々と殺害し、そのうえ己の子どもたちすらも殺して回った。新たな王国は、こうして半年で、果てた。そして私はまた主を失った。私を見つけたある将軍は、私に刻まれた血の呪いを見抜いた。彼女はおそらくは力ある魔女だったのだろう。彼女は信頼できる部下たちを呼び、「決してこの剣を抜いてはならぬ」と言いおいて、私のための封印の間すら魔女たちに用意させた。そして、おごそかな祈祷の末に、再び私を眠りにつかせた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る