リーゲンのスキルハント ハント12 暗示歌

ハント12 暗示歌


 みなさんおはこんばんわであります! 今回の話は第四十三章で終わったところに繋がるであります。


 夕食を食べ終えたリベンジャー。優華とリーゲン、グルメルは食器洗いを終えたところ、突然ユクエがやってくる。

 ユクエの知らせにリーゲンは食いついた。


「お母様! ついに見つけました!!」

「まじか! あの安楽満を殺した例の人物が見つかったのか!」


 ユクエは優華の問いに大きく頷いた。


「そうや。なんと近いところにいたんや。場所は新メインストリート近くの廃事務所や。

 ただな。ペアで組んでいて、コードネームは〈魅了者〉。歌うことで相手を魅了。操るフルドライブスキル所有者や。

 そして、あんたらの仲間を殺した犯人。コードネームは〈爆破〉。【起爆】といえば、どんな物でも爆弾に変える危険人物。

 本来地下派と組んでいる者やが、ヨゴレによって、操られて、あんな事件を起こしたんや」


 ユクエの説明で優華は半目となり、理解する。


「そういうことか。そいつも地下派だったが、あやつられてたというわけか……」


 何か嫌な気配を感じた優華。その理由はリーゲンだ。

 リーゲンは凄く怒っていたからだ。


「やっと……、やっと見つけました……。お母様。すぐ行ってきます!」

「OK。お前に任せる。一応魅了者には気を付けとけよ?」

「はい!」


 後を向いているが、リーゲンは頷いて、すぐに出撃する。

 場所は廃事務所だ。リーゲンは高くジャンプ。窓に張り付く。

 その姿には厚化粧で赤髪長髪の派手な女性が呑気に座っていた。どうやらもう一体は別室では眠っているだろう。

 リーゲンは【能力オープン 透視】で相手を見る。

 その胸にあるのはフルドライブスキルの魔力球。それも相手を魅了する色が大きく感じる。

 すぐにリーゲンは窓からドロップキック。


「―――! 貴方何者! 私の歌で――――」


 魅了者は息を吸い込み歌おうとするけど、リーゲンは相手の腹に腹パン。

 相手はせき込み。その場で倒れる。

 そして、相手はリーゲンに怯える。


「ここに爆破さんがいるのは知っています。どこにいるか教えてください」

「――――。この部屋を出て、隣……」


 恐怖で魅了者は相手を売った。

 にこやかな笑みをするリーゲン。安心した魅了者は歌おうとしたら【能力スティール】で相手の胸付近から開いた空間。そこから引きずり出した魔力球。

 彼女はそれを【能力インストール】で取り込む。


「【能力オープン 暗示歌】。―――」


 リーゲンが歌うと、相手は魅了される。


「相手を呼んでください。いいですか?」

「――――はい」


 暗示された魅了者。相手はすぐに連絡する。


『俺だ。どうした?』

「来てほしいの―――。寂しい」

『わかった』


 その声は爆破だ。電話が切り、暗示が解かれると同時にリーゲンは魅了者の首を絞め殺した。

 爆破がやってくる。


「おい。何の用だ……。―――!」


 坊主頭の男でパンク服の〈爆破〉が眠たそうな顔で部屋に入ると驚愕する。

 そこに魅了者の首があり得ない方向を向いていた。


「久しぶりですね。リベンジャーの仲間を殺して、のうのうと生きていた者です」

「き、貴様。まさか報復しに来たのか!」


 爆破は後退りながら、リーゲンを見る。もちろんあの事件はもう知っていた。

 トラックでショッピングモールを破壊しようとしたのは事実であるが、誰かに乗っ取られ、意識はあるが、体は操られていた。


「お、おい! あれは俺のせいじゃねえ! 気づいたら操られて、自由に動けたのはお前の仲間を殺した後なんだ! 俺は悪くねえ! 操った奴が悪いんだ!」


 ありったけの言い訳をする爆破。しかし、リーゲンは【能力オープン 白鬼腕・武器創生】を発動して、白く異形な剣を作り、相手の両脚と両腕を切る。

 リーゲンは剣を床に刺した。


「ま、待ってくれ! 金か? 金が欲しいんだろ? ならくれてやる! それで手打ちにしてくれ!

 そうだ。リベンジャーに仲間を紹介してやる! 痛み分けだ。勘弁してくれ!」


 無様に命乞いをする爆破。しかし、リーゲンが取った行動は右人差し指を親指で押して、骨を鳴らして、魔力を纏わせて【能力スティール】で相手の心臓付近にある魔力穴へ手を突っ込んで、魔力球を引きずり出す。

 そして、リーゲンは【能力インストール】で取り込んで、右手で剣を抜いて、相手の首を切る。左手で持ち、相手の胴体に向けて「【起爆】」呟いて、魅了者の死体にも起爆。

 廃事務所を飛び出したリーゲン。屋敷へ帰ると優華は待っていた。


「どうやら。仇は取れたようだな」

「お母様。無事倒しました。ユクエさんはどちらに」

「ああ。オレの背後にいるぞ?」

「ターゲットを倒したようやな。すぐに調べるな―」


 ユクエは呑気そうに手をかざした。

 すると、ユクエの脳にある映像が流れる。

 若い爆破視点で隣にいたのはリーゲンを虐めた毒親王女。その前には人身売買商人が近づいており、その両腕には赤ん坊だったリーゲンがいた。

 ユクエは驚いた顔で。


「リーゲンはん。あんたの親もう一人おるで?」

「え、あの女じゃなくってですか?」

「うん。あんた売られたみたいや」


 優華はそれを聞いて、考え込む。


「となると、あの王女はリーゲンを買ったのか?」


 優華の冷静な発言でユクエは頷いた。驚いた顔で見るリーゲン。

 リーゲンはユクエに「お願いします。私の本当の親を探すのを手伝ってほしいです」お願いする。


「ええで。契約続行や」


 満面の笑みで言う彼女。リーゲンは大きく安心する。

 だが、リーゲンは知らない。リーゲンの本当の親は……。


 殺害対象者 


 魅了者 フルドライブスキル 暗示歌


 歌うことが大好きな女。しかし、オーディションでおちたことで彼女の心はひどく歪んでしまった。

 フルドライブスキルの商人から買った暗示歌で相手を魅了する。

 しかし、蜜を吸った彼女は自道の努力などめんどいと感じていた。


 爆破 フルドライブスキル 爆発


 地下派がまだあった頃。ショッピングモール襲撃と安楽満を殺した犯人。

 ゴールデンのためにショッピングモールを襲撃したがヨゴレに追って操られた。

 本人は小心者であり、殺すつもりはなかったとのことだ。

 ゴールデンに殺されるかもしれないと思ったのか。逃走した。


 次回 シーズン2 リーゲンの本当の親捜索

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