2ページ目 言葉を話せる猫と出会ったので

言葉を話せる猫と出会ったので、前から気になっていることを聞いてみることにした。

「神様は猫の視点から人間を監視してるっていう仮説があるんだけど、本当?」

「そんなわけないじゃないですか。ぼくらは気ままに過ごしてるだけですよ。」


と黒猫は流暢に返した。


「それに、自分たちが監視されるような特別な存在だっていうのが思い上がりじゃないですか?

もしぼくが神様なら、ただの人間のあなたより、あなたの前にいる言葉を話せる猫の方を観察したいですね。」


それもそうだと思いながら、彼の毒舌に少し腹が立ったので、


「よく気付いたね。俺たち人間はすべて、君みたいな猫を監視するために存在するんだよ。」


と言い返してやると、猫は身震いして、どこかへ行ってしまった。


またどこかで会えたらいいな。

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