平行世界の自分と交換日記をしている。

草薙

1ページ目 交換日記をしないか

ある日、しばらく開いていない日記帳を開くと、こんな文章が書かれていた。


「この日記はどうやら平行世界と内容を共有しているらしい。

実験に協力してくれた別の僕、ありがとう。」


僕はこんな文章を書いた覚えがないので、質の悪い友人のいたずらかと思ったが、僕にそんな友人はいなかったことを思い出し、平行世界の存在を受け入れた。


「賢いだれかがこの日記をうまく使えば、平行世界の未知の技術を自分の世界に持ち込んだりして大金持ちになれるだろう。

だけど、僕はそんなに賢くない。君たちもそうだろう?」


僕はむっとしながら、それでも小さく頷いた。


「でも、平行世界の僕がどんな生活をしているのかって、とても興味深いじゃないか。

そこで提案なんだけど、僕らで交換日記をしないか。1つの平行世界につき1ページ埋めるんだ。」


それはとても魅力的な提案だと思った。

そして、次のページが白紙だったので、そこに書いた文章がこの日記だ。


じゃあ、次の僕、よろしく。

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