第三章 ドリームフェザー 崩壊まであと三日

第三章 ドリームフェザー 崩壊まであと三日


 優華はインカムを付けて、ギルドの格納庫へ向かった。メンテの人間は誰もいない。

 だから一人でバイクをメンテする優華。するとバイクは目を開けた。

 彼の名は〈ソル〉。昔、優華が見つけて、友達になったさ迷う魂であった。彼は目をぎょろりと見る。


『あれまあ! 優華。あの例の依頼が来たんだべな!』


 田舎のしゃべり方をするソル。優華は冷静に頷いた後。ソルに跨った。

 コードが沢山優華に絡まり、すぐに発進する。

 ゲートシェルターは自動で開くが、前々から整備されていないせいか。全く動くことがない。

 だから、優華はソルのビームを使って、壊した。

 優華はその後ろを見て、舌打ちをする。昔はちゃんと整備していたこのギルド。

 しかし、今は誰も整備しておらず、すんなり動いていたシャッターも今じゃ、全く動かない。

 優華のインカムから文子の声が聞こえた。


『優華。聞こえる?』

「ああ。聞こえる。場所は確か、メイン・ストリートの30キロにある廃ホテルだよな?」

『うん。そこで違法強化薬や違法武器が大量に売買している違法売買者と荒くれ者たちが根城にしているそうだ。そいつらを処刑して、違法強化薬と違法武器を処分してもいいだって』

「―――フン。地道に稼げばいいのに……」

「なんだべ! まるで楽なことしか考えてねえべな」

「そうだな。奴らは甘い蜜を吸って、後戻りできねえだろうな」


 とある役員から情報をもらった文子はオペレーター室で話す。

 今のオペレーター室は誰もいない。オペレーターたちは全員総辞職した。

 アクセル全開で目的地へ向かう。道中では暑かったのに、今では夜風は気持ちよく、涼しかった。

 目的地へ着いた優華はソルを止めて、大斧を持って、廃ホテルの扉をヤクザキックで壊した。

 両目を光らせる優華。屯していた奴らは優華の顔を見るたびに「や、やばい! あいつだ!! 〈魔殺偽神殺鬼 優華〉が現れたぞ!!」と全員に声をかける。

 だけど、優華はアイテムポーチから手榴弾を取り出して、口でピンを抜いて、それを投げる。

 相手はすぐに逃げようとするが、それは爆発ではなく、煙であった。

 構わず撃ち続ける悪者たち。当たった手応えがあった。

 煙が晴れて、荒くれ者たちは確認する。

 それは彼女が着ていたギルド服と下着だけであった。

 不思議そうに見る荒くれ者達。声をかけた奴の背後に何も着ていない優華が大斧で首を掻っ切った。

 声掛けた荒くれ者の首は飛び、血が噴水みたいに噴き出す。

 それを見た荒くれ者達はかなりビビる。さらに次々と心臓や相手の首、頭を叩き切る。

 それに左手で相手の頭を掴んで地面に思いっきり、たたきつけた。

 そして、止めは本物の爆弾を相手の口に入れて、爆破させる。

 爆破された荒くれ者の前に何も着ていない優華が大斧を担いで見ていた。

 優華は首を回して、脱ぎ散らかした衣服をアイテムポーチへ入れた。

 優華は先にボスの方へ向かった。その前に逃げ隠れる荒くれ者を見つけたのか。すぐにとっ捕まえて、威圧する。


「逃げるなよ」


 優華の恐ろしい顔で荒くれ者は黙ってうなずいた。しかし、その背後で何か聞こえた。


 ――――い、今なら倒せるわ!!


 それは女の声だ。優華は男を投げ飛ばした。

 その理由は簡単だ。同士討ちさせて、仲間の戦意を喪失する。

 ナイフが刺さった先は優華ではなく、荒くれ者の心臓だ。

 女の正体は同じ荒くれ者だ。女の仲間たちもやってきて、片手銃で撃とうとする。おそらく女荒くれ者たちだろう。

 しかし、優華の眼は納得する。

 奴らは弱い奴しか撃っていないからだ。その証拠に銃が持っている手が震えていた。

 優華は大斧を持って、二人の女以外の荒くれ者たちを解体する。

 その解体した肉片を見て、二人の女は戦意喪失。涙や鼻水が止まることはない。

 すると優華は冷徹に二人へ話す。


「ボスの部屋へ案内しろ……」


 優華がそう話すと、二人は壊れた人形みたいに首を頷いた。

 二人を前にして、ボスの部屋に案内する。そして、ついたと同時に後ろを振り向いて、優華を殴ろうとする。

 “無駄なことを”と言わんばかりの顔で優華は大斧で切り付けた。加減はしているのか。女は無抵抗になる。

 優華は大斧を消して、二人の女にとある物を付けて、二人の首根っこを掴み。大きくヤクザキックする。

 扉は完全に壊れ、ボスはあたふたする。

 その前には優華が無情な顔で女を投げ飛ばした。

 それに優華はすぐに離れる。そう、優華が女二人に付けたのは爆弾であった。

 大きな爆発音とともにボスの断絶魔が聞こえた。すぐに優華は爆発音がした場所へ戻り、焼き焦げたボスを目で見る。

 どうやら本物のようだ。すぐに優華は証拠写真を撮った。そうしないと納得しないからだ。

 優華はすぐに地下へ向かった。

 地下には大量の違法強化薬と違法武器が大量に保管していた。すぐに優華はアイテムポーチから爆弾を取り出そうとするが。

 生き残った荒くれ者たちが優華を襲うも、優華の回し蹴りで気絶。さらに二体もナイフで襲い掛かるけど。優華は裏拳と頭突きで気絶させる。

 その後。優華は大量の爆弾を置いて、起爆。

 すぐに撤退をする優華。その状態でバイクに跨り、この場を去った。


『優華もおっかないべな~。いくら荒くれ者だからと言って、爆破するっておそろしいべー』

「あ? そうしないと来世になっても、懲りねえと思うからだよ」

『おっかないべなー』


 ソルは言うと、優華はつまらなさそうに話す。悪人を捕まえても、絶対報復されることはわかっているからだ。

 そのために作られたのがこの処刑課である。

 優華はギルドに着いたと同時に処刑課の政府へ連絡した。写真もである。

 送信後。政府から後で報酬を振り込むと書いてあった。優華はそれを見て、無表情で着替えて、自分の部屋に戻ろうとする。

 しかし、安楽満が慌てた顔で優華に近づいた。

 安楽満はすぐに優華へ聞いた。


「あ、あの!! 秀ギルド長が行方不明になりました!!」


 それを聞いた優華は眉をひそめた。


 ……ドリームフェザー 崩壊まであと二日

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