言の葉を喰むへの応援コメント
これこそ言葉の端々にまで神経の通った文章であり、血が流れている物語だと思います。
主人公も、言葉を喰む女も、何を思い、なぜその言葉を選んで口にしたのかが、自ずと染み入る水のようにわかります。
文章のきれいさもさることながら、物語がきちっと自分の足で立っている。これが読後感を受け渡してくれます。
物語始めるよりも終わらせる方が難しいと思います。この物語は始まった直後から脇目も振らずに着地点目指して凛々しい歩き姿を見せてくれました。
これが「差」なんですなー。上手い!
作者からの返信
鳥辺野九さま
お読みいただき、ありがとうございます。
「言葉を喰らう娘の話」というのはもうずいぶんとまえから頭のなかにあって、でもなかなかかたちにならなかったのですが、「昭和」「戦時中」という時代背景、そして京都という舞台とあわせたときにようやくぴったりきて「書ける」と思い、筆の赴くままに綴りました。
短編はプロットを創らずに書くこともあって(そのほうが素敵になるので)こちらもそのたぐいです。
「差」だなんてとんでもないです。まだまだ未熟でお恥ずかしいです。これからも精進して参ります。
言の葉を喰むへの応援コメント
猛烈なイメージの強さと「本」として生き、"燃やされる"娘の姿、味わい深い短編で非常に面白く読みました。
豊かな語彙と劇中劇のように挟まれる主人公の描く物語で小説が立体的な奥深さを備えていて、映像として脳裏に浮かぶようでした。
素朴な感想になってしまいますが、それこそ、書いてくださってありがとうございます。美味しくいただきました。
美しく耽美な物語に対して差し出がましいようで申し訳ないのですが、一点だけ気になってしまったのが「日中戦争」という呼称は戦中当時使われておらず、戦後になって使用されていたもののように思いましたので、ご共有です。
https://www.nids.mod.go.jp/publication/commentary/pdf/commentary079.pdf
作者からの返信
永里茜さま
お読みいただき、ありがとうございます。
おいしく召しあがってくださったとのこと、こころから御礼申しあげます。劇中劇のような小説たちまで楽しんでいただけたとのこと、嬉しいです。東ローマ帝国の小説は膨大な巻貝を染料とした「貝紫」の寓話です。美しい紫には毒があるのですね。権力もしかり……いつか、別途の短編でも書きたい題材です(*^^*)
わわっ、ご指摘いただき、ありがとうございます。
確かに仰るとおりです。資料までいただき、勉強になりました。現在は審査中で修正できないので、結果がでてから修正させていただきますね。とても助かりました。
編集済
言の葉を喰むへの応援コメント
浮世離れし、狂った華のようである娘。おそらく“本”という人の“道具”でしかない存在でもあり。
けれどもその中に垣間見えた人のような揺らぎが、美しく、好きです。
「そうやねぇ、そのとおりやわ」どんな気持ちで、そうこたえたのか。つい、考えずにはいられませんでした。
「本は焼かれた。ならば、人は。」彼らの想いは、この言葉に収束しているのかなあと感じました。
素敵な物語をありがとうございました。
作者からの返信
出 万璃玲さま
このたびは小説をお読みいただき、ありがとうございます。
「本」でしかなく「本」であることを誇り、ですがやはり「人」であった娘の心境にご共感賜りまして心から御礼申しあげます。「本」であった彼女は焼かれましたが、「人」であった彼女はこれからも「私」のなかに残り続けていくのだとおもいます。願わくば、出 万璃玲さまの心の書架のかたすみにも「人にして本」足る彼女を収める小さな空間をいただければ幸甚です。
言の葉を喰むへの応援コメント
書籍化経験のある小説家がカクヨムを使っているのはもちろん知っていますが、ここまで戦前戦後の小説を彷彿とさせるような短編に出会えるとは、思えませんでした。
娘の言葉である「ねえ、私、想うんよ。人は誰もが一冊の本なんちゃうやろか。産まれた時は白紙で、時を重なるごとに頁が埋まり、百年後にはあとかたもなく崩れてしまう――どんな物語を綴ってもいい、自由で不自由な紙の束」ってのが、とても印象深くもあり、同時に共感出来た箇所でもあります。
時代の移り変わりによる価値観の変化。特に感受性の強い作家なら、特に強い影響を受け、思い悩むだろうと、主人公時点で強く感じさせられました。
情景や心象風景などもとても素晴らしく、表現においても、いろいろ勉強になりました。素晴らしい短編を読ませて頂き、本当にありがとうございます!
作者からの返信
綾崎暁都さま
このたびは小説をお読みいただき、素敵な感想、レビューまで賜りましたこと、心から御礼申しあげます。
電撃の公募に参加する側ら、7年前からカクヨムを続けておりました。ふしぎなものでカクヨムにて素敵な創作者様、読者様とご縁をいただくようになってから、公募での成績もみるみるあがり、「死者殺しのメメント・モリア」という小説でひとつの夢をかなえることができました。
あらゆるものにはかならず、終わりがあります。悲しいことですが、人の命もしかり。ですが小説。物語というものは語り継がれ、いつまでも人の心に息づくことがあります。そう考えれば、人もまた、肉体は滅んでもその人の物語が残り続けることはあるのかもしれません。
だから私は、小説、物語というものにこれほどまで惹かれるのかもしれません。
こちらこそ、嬉しいご縁をいただきまして、ありがとうございました。想いを寄せて綴った小説に暖かな言葉をかけていただき、幸甚のいたりでした。
編集済
言の葉を喰むへの応援コメント
終戦直前から敗戦後の東京ではなく日本の伝統文化の母胎である京都(文中に出てくる源氏物語や『細雪』の舞台でもある)を舞台にしている点に独自性を感じました。
作中の描写から京都の地理に無知な私にもローカル色が感じられました。
京都御所の爆撃や太秦空襲など「京都は歴史ある街として戦火を免れた」という戦後のプロパガンダで隠蔽されがちな史実を織り交ぜている点にも作者様のこの街というか近現代史に対する知識の深さを感じました。
主人公と言読の彼女の本を巡る会話や主人公の書く小説が旧字体で綴られている描写などにも作者様の博識がよく窺えました。
ヒロインを預かっているのが軍人でそれが敗戦後の墨塗り教科書と言読である彼女の処刑という展開に繋がるのが秀逸です。
ただ、ヒロインの彼女について「美しい」と直接的な形容を繰り返されると少し表現として平板に感じました。
また、男主人公が最初は義足で長屋に住む貧しく不遇な文学青年のように描写されているのに、途中で「日中戦争で負傷し軍人恩給を受けている京都帝国大学の学生」という設定が明かされてそこからどうにも違和感を覚えました。
当時の帝国大学の学生ならばエリートのはずです。
男主人公については実家は舞鶴にあるという程度のことしか書かれていませんが、戦時中の帝国大学は貧窮家庭の子弟が行けるような場所ではないはずです。
まして敗戦直前なら物資も何も窮乏している時期ですよ。
あるいはこの男主人公にも実在のモデルがいるのかもしれませんが、個人的には釈然としませんでした。
追記1
わざわざご返信どうもありがとうございます。恐縮です。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A7%E5%88%B6%E5%A4%A7%E5%AD%A6
こちらを見る限り、戦前から同志社や立命館、龍谷大学といった私立大学も京都には複数あったようですね。
確かに傷痍軍人として実家を離れて大学に通いつつ作家を目指しているわけで、少しでも出費を減らすために貧乏長屋で暮らしていると考えるとさほど違和感はないですね。
追記2
揚げ足取りみたいですが、大学なら「生徒」ではなく「学生」が相応しいと思います。
追記3
2024.5.28.受賞おめでとうございます。
作者からの返信
吾妻栄子 さま
熱のこもったご感想をたまわりまして、御礼申しあげます。
とても嬉しく励みになりました。私の両親の実家が京都にございまして、時々京都の戦時中の話を聴くこともありましたので、空襲がなかったわけではないことも含め、ひとつでも記録を残したいという想いもあり京都を舞台といたしました。建物疎開も大変だったそうですね。すでに詳しい話を聴くにも実家の祖父は他界しており、祖母からは話を聴ける状況にないため、ほかは調べられるかぎりで調べ、執筆にあたらせていただきました。しかしながらお恥ずかしいことに時代検証はまだまだ完全ではないとおもっております。
「私」こと主人公についてのご指摘、仰るとおりだとおもいます。
当時の京都の大学については戦前、戦後の情報しか捜せず、難航いたしておりました。吾妻さまのように有識な御方からご教授いただけて、とても幸甚でした。
つきましては「某大学」と修正したのですが、多少違和感は薄れましたでしょうか?
彼は戦時中高値だったであろう原稿用紙をつかって小説を書き、また読書もしているところからして、かなり裕福な家(舞鶴の実家)の産まれであろうと想定しています。長屋に暮らしているのはなるべく時間や金を小説のためにつかいたいからです。
重ね重ねになりますが、素敵なご感想をいただき、ありがとうございました。いただいた言葉を励みに精進して参ります。
追記
朝早くからわざわざご確認いただきまして、ほんとうにありがとうございます。
大学についても詳しく教えていただき、幸甚です。父親が同志社なので同志社とも読めるのはちょっと嬉しいです。
学生。ですね。承知いたしました。学生証と言葉が被るので生徒にしましたが確かに違和感がありますね。後程修正させていただきます。
御丁寧に読んでいただき、恐縮です。ご厚意に感謝いたします。
言の葉を喰むへの応援コメント
拝読させていただきました。
とても精緻な物語であっという間に読んでしましました。とても面白かったです。
言の葉を喰むという不思議なお話ではあるのですが、物書きの端くれとして主人公の興奮や傾倒、そして焚書に対しての焦りなどを追体験させていただきました。
彼女の最後の言葉の「人は誰もが一冊の本」という言葉がとても心に響きました。
素晴らしい読書体験をさせていただきました。ありがとうございました。
作者からの返信
島本 葉 さま
お読みいただきありがとうございます。
面白かったと仰っていただけて非常に嬉しいです。小説を書いている御方、読んでいる御方ならば、なにかしらか感じていただけるのではないかとおもいながら情熱につき動かされてて書きましたので、有難い御言葉に胸がいっぱいになりました。
小説というのは読者様の御時間をいただくものなので、その時間がむだなものにならなかったと聴くだけで安堵いたします。
これからも素敵な幻想を紡いで参ります。またよろしくお願いいたします。
言の葉を喰むへの応援コメント
とてもとても美しい小説に心がいっぱいになりました。
娘の「言の葉を喰む」描写のなまめかしさに心を奪われました。
うまく言葉にすることができないのですが、戦争とはなんと愚かなものかとも思いましたし、幻想的な娘の存在に心が惹かれてやみませんでした。
この小説のすごさを語る力を持っていないのが悔しいのですが、龍さんの魅力がさく裂していて、個性的で幻想的で素晴らしかったです。
素敵な小説を読ませていただきました。
作者からの返信
松宮さま
お読みいただき、ありがとうございます。
なんて嬉しい御言葉でしょうか。戦争は……哀しいものですね。建物疎開についても、この小説を書くために調べましたが、約2万戸が建て壊しとなったそうです。しかたのないこととはいえ、安い保証金だけで、暮らしなれた家から立ち退きを強いられたひとたちの哀しみは幾許のものだろうとおもいます。壊されていく家をじっと涙ながらに見つめるひとの姿が絶えず、そこにはあったそうです。
京都は空襲がなかった、とも語られますが、第二の故郷として京都を持つものとしては戦中の京都の話は一度は書きたかったので、こうした機会に筆を執れてよかったです。
(第一の故郷である山梨県の甲府も戦争の被害は甚大でした)
戦争のない世の中が、はやくきたらいいですね。
言の葉を喰むへの応援コメント
気がついたら三周していた。
一回読んで衝動的にレビューを書き、二回目を読んだと思った時には三回目を読んでいて、我に返ってコメント欄を開いた。
このループしそうな読後感は、この作品自体の言葉の力が、作中世界のそれなんだよな。
例えば魔法について書かれた本があるとする。その本を読んで実際に魔法にかかってしまったら内容を信じざるを得ない、みたいな感じ。
雰囲気ぶち壊しな感想ですみません。
大変良い体験でした。
作者からの返信
八軒さま
素敵な感想、レビューをいただき、心から御礼申しあげます。無謀にも敬愛なる「円城塔賞」に挑戦している身としてはこれほどまでに力強い御言葉はない最高の賛辞をたまわりましたこと、嬉しくて震えております。
しかも三周もしてくださったなんて。作家冥利につきます。
私はこの二十年程に渡って「言葉」というものに捕らわれた幽囚の身です。読めば読むほど、書けば書くほど、その深遠さに魅了されています。そんなとき、最後の場面がふっと頭のなかに流れ、この物語だけはどうしても書きたいとおもい、締切のあいまに筆を走らせたので、八軒さまに読んでいただけたこと大変嬉しく、幸運におもっております。
ほんとうによきご縁をありがとうございました。
言の葉を喰むへの応援コメント
圧倒されました。一言一句間違いのない文章とはこのようなものだと。
自分も文筆家のはしくれとして、頂を見るかのような心境です。
世界観を完璧に表現するためにどれだけ自己研鑽をなさったのか……
彼女が死んでしまうシーン、私は『美しい』と感じました。
作者からの返信
うお座の運命に忠実な男さま
お読みいただきまして、ありがとうございます。
完璧だなんて恐縮です。素晴らしいレビューまでたまわり、幸甚のいたりです。いまはまだまだ頂いた御言葉にふさわしい私ではございませんが、いつか、そうなれるよう、これからも誠心誠意物語と向きあい続けたいとおもいます。その言葉に恥じぬみずからであるべく、さらに精進いたします。
ありがとうございます。
そして「死」を美しいと仰っていただけたこと、とても嬉しいです。
言の葉を喰むへの応援コメント
重厚な内容で、文庫本一冊を読んだのではないかと錯覚するほどでした。
言葉は美しいだけでなく物語の哲学、精神性を的確に装飾しており、一切無駄がないように感じました。
作家の思いについても感じ入るところがあり、呼吸を忘れるように読み終えた後は感嘆のあまり深いため息をついてしまいました。
素晴らしい作品をありがとうございます。
作者からの返信
神崎あきらさま
お読みいただき、こころから御礼申しあげます。
「一切無駄がない」なんて短編を好んで執筆する作家にとってこれほど有難い評があるでしょうか。ほんとうにありがとうございます。
言葉というものにたいする愛をぎゅっと詰めた小説だったので、同じく創作、言葉を愛する神崎さまのような御方に読んでいただけたこと、大変嬉しく存じあげます。
言の葉を喰むへの応援コメント
残酷だけど清艶な世界に最後の一文まで惹き込まれました。
途切れてしまったはずなのに、どこか無限ループしているような一種の輪廻みたいなものまで感じられて、また冒頭に戻る……描写も構成も絶妙に現実と幻想が混ざり合っていて、たくさん感想を書きたいのに、私の残念な語彙力では言葉に尽くせません(平謝)
作者からの返信
古博かん さま
お読みいただき、御礼申しあげます。それだけでも充分に嬉しいのに、素敵な感想、レビューまでたまわりましたことに感謝の言葉もないほどでございます。
私は創作を続けて二十年ほどになるのですが、書けば書くほど、読めば読むほどに惹きこまれています。そんな言葉、物語、文書にたいする思慕の想いをこめたこちらの小説が、古博さまの御心になにかしらか、波紋のようなものを残せたのであればこれほど幸せなことはございません。
京都は私の両親の故郷で、空襲などの話もぽつぽつと聴きましたので、そこから調べられるかぎり調べ、世界観を拡げました。京都は不思議な町です。幻想と現実のあわいのような。
最後までご堪能いただき、ほんとうにありがとうございました。
言の葉を喰むへの応援コメント
幻想の美しさと現実の残酷さがごく自然に折り合っていて、胸を打たれました。
「自分の書くもので誰かの心を満たしたい」という欲求も、創作者として深く共感を覚えました。
娘の「言の葉を喰む」描写がなんとも官能的、同時に背徳的でもあり、この時代に自由な表現を行うことの禁忌性とも重なって、本当に見事でした。
素晴らしい作品を堪能させていただきました!
作者からの返信
陽澄すずめ さま
嬉しい御言葉をたまわりまして、御礼申しあげます。
幻想と現実。そのあわい。
それは私の永遠の命題でもあるので、「胸を打たれた」と仰っていただけてたいへん嬉しいです。言葉を喰む描写はできるかぎり、耽美に書かせていただきました。こういう直接的ではない官能感を書くのはとても好きです(*^^*)
陽澄すずめさまに読んでいただけて、素敵な新年の幕明けになりました。今後ともよろしくお願いいたします。
言の葉を喰むへの応援コメント
冒頭の一文から惹き込まれ、最後の一文を読み終えてから気付けばため息を溢していました。
流れるように、でもかたちを伴ったままに胸を打つ美しい文章と幻想的な設定と世界観、ほんとに凄いものを読ませて頂けました。夢見里さんの物語を作り込む表現力に脱帽致しました。
昭和の時代、京都のその町で確かに起きていたことなのだと錯覚してしまう程の現実感があり、町を行き交う人々の姿や雨に打たれ濡れる姿など、全ての情景を私自身が実際に目にしているようでした。
衝撃を受け過ぎて、自分の気持ちをうまく言葉にすることが出来なくて凄くもどかしいのですが、ほんとに、ほんとに、凄いものを読ませて頂けたことに心から感謝しています…。
それと、心地良い時間を届けてくださり、ありがとうございます☺️✨
作者からの返信
深海かやさま
お読みいただき、ありがとうございます。
昭和幻想、お楽しみいただけたようでなによりでございます。両親の故郷が京都なので、昭和の京都を舞台にした話はいつか書きたいとおもっておりました。はんなりとしていなかった京都の話。
身にあまる御言葉をたくさんいただきまして心より感謝いたします。
言葉というのは果敢なく、脆く、でも残るものだとおもっています。想い続けるかぎり、なにが滅んでも言葉は残る。
だから私は言葉に惹かれるのだとおもいます。
これからも言葉とむきあいながら小説を書き続けていきます。
重ね重ねになりますがお読みいただき、ありがとうございました。
言の葉を喰むへの応援コメント
冒頭からぐっと惹き込まれました。
「小説を書くとは心に疵をつけることだ」「人は誰もが一冊の本…どんな物語を綴ってもいい、自由で不自由な紙の束」とても共感するし、励ましのようにも感じました。
言葉が雨になって降るシーンは映像となって頭の中を流れました。とても印象的なシーンでした。本は残らない、でも思いは残せる。恋は実らなかったけれど。主人公の書く小説が多くの人の心に残りますように。
心に響く美しい物語でした。ありがとうございました。
作者からの返信
ゆげさま
お読みいただき、ありがとうございます。
身にあまる御言葉をかけていただき、感激いたしております。あの地の文と台詞は、言の葉を愛するひとりとして想いを寄せ、おなじように物語を、本を、言葉を愛する読者様に届けと綴らせていただいたのでとくに嬉しいです。
言葉が降る場面は、じつはふっと突然あの場景がおりてきて、そこから想像を拡げてこの物語を紡いだのです。ちょうど昭和幻想を書きたいと想い続けていたのもあり、舞台は昭和の京都、ときめました。
恋は実らず。でもその恋心もまた、永遠に残るものだとおもいます(*^^*)
こちらこそ読んでいただき、ありがとうございました。
言の葉を喰むへの応援コメント
幻想的な美しさが詰まった作品ですね。
特に文字が庭に降るシーンの表現には圧倒されました。
本がなくなっても物語は残り続ける、人が残そうとするという気持ちや執念の重みが感じられました。
作者からの返信
右中桂示さま
お読みいただき、ありがとうございます。
素敵なレビューまでたまわりまして、感激いたしております。昭和幻想はずっと書きたかった分野だったのですが、なにせ勉強がたらず……このたびはえいやっと気魄をこめ、かぎられた時間ではできるかぎりの時代考証をして書きました(*^^*)
本がなくなっても想いは残る――物語はかならず、息を吹きかえす。言葉は果敢ないものですが、言葉の強さもまた、書きたいとおもっていたので、そのように仰っていただけてたいへん嬉しかったです。
重ね重ね御礼申しあげます。
言の葉を喰むへの応援コメント
言葉一つ一つが名文過ぎて「どこどこが良かったです」と言えないのですが、さすがでした。
そしてこの設定。脱帽です。夢見里さんにとっては当たり前かもしれませんが、上手いです。現実に起きたことと幻想のできごとを絡ませるその割合と熱量が、ちょうどいい。本当にあった出来事のように思わせる。素晴らしい作品でした。
また、登場人物がみなさん魅力的でした。
ただそれゆえ、読後の「ああ……ああ……!」と言うなんとも言葉にならない心の呻きはどう拭えば良いのやらと思ってしまいますが(笑)
最後の文字が溢れていろんなところに散って、ぶら下がって、溜まっていくシーン。とても絵になるなあと思いました。ヴィジュアライズされてもきっと素晴らしい作品ですよね。
素晴らしい読書体験をありがとうございました!
作者からの返信
詩一さま
お読みいただき、ありがとうございます。
なんて有難い御言葉でしょうか。この設定が頭のなかに舞いおりてきたときから、書きたいという想いがあふれて、とまらなくなりました。私は場景から小説の原案を書きだすのですが、この小説の場合はまさに最後の「文字の雨が降るところ」でした。絵になると仰っていただけてたいへん嬉しいです。
悲恋。になってしまいましたが、彼女は確かに「私」という本の頁になり、残り続けることとおもっています。「私」は残すでしょう。かならず。土壁のなかに本を埋めた孔子のように。
素敵なレビューまでたまわり、感激いたしております。何度も読みかえし、励みにします。ほんとうに、ほんとうに感謝の想いがつきません。
言の葉を喰むへの応援コメント
何とも耽美的、幻想的な物語でした…。
大戦末期の京都、洋館、和服を着た娘、その娘のために言の葉を紡ぐ日々、しかしやがてその日々にも終わりが訪れ…。
戦後の墨塗り教科書も、確かに一つの焚書であったなと頷きます。亡くなった祖母が、そういえばそのことを時折話していたなと、思い出したりもしました。
読後の充足感がとても濃密で、とてもよき物語でした(*´ω`*)
作者からの返信
長門さま
有難い御言葉をたまわりまして御礼申しあげます。
京都は空襲がなかったといわれていますが、現実には度重なる空襲にあっていたという話を昔に聴いていて、それを残すためにもいつかこの昭和の京都を書きたいとおもっていました。
教科書を墨を潰す。日本はかなり軍国主義になっていたので、危険視するアメリカの考えもわからないでもなく。でもあれは焚書だなぁ(始皇帝の焚書もじつは諸説あります)と考えながら書きました。
切なくて重い話ですが、楽しんでいただけてとても嬉しかったです(*´∇`*)
言の葉を喰むへの応援コメント
文字書きなら誰もが共感できるんじゃないかというフレーズ↓
>小説を書くとは心に疵をつけることだ。言葉にならないはずのものに言葉という縄をかけて縛りあげ、喰いこんで擦れた疵から溢れた青い血に万年筆の先端をひたす。
いやしかし全編に渡り参りました。
お見事でございます……。
作者からの返信
一式鍵さま
お読みいただき、ありがとうございます。まさか投稿してすぐに読んでいただけるなんて。しかも身にあまる御言葉をたまわり恐縮するばかりです。
そこの一節は私の経験であり、小説家さんはみな、こんな想いで執筆しているのではないかと感じていたので、一式さまにお墨付きをいただいてとても嬉しかったです(*^^)
重ね重ねになりますが、素敵なレビューもありがとうございました!
言の葉を喰むへの応援コメント
凄まじい筆致……圧倒的世界観と、それを微塵も揺るがすことも崩してしまう事もなく綿密に紡がれる言葉。圧巻でした。
先生の小説が読める時代に生きていて良かったと思います。
余談ですが、先生の小説の一節が節々に顔を出す所が嬉しかったです。
素晴らしい作品に触れさせて頂き、ありがとうございます。
作者からの返信
磨糠 羽丹王さま
お読みいただき、ありがとうございます。
こういう純小説の文体を書くのは久し振りだったので、楽しくもあり緊張もあり、でした。最後の推敲は文字数との戦いでもありました(笑)
なんてもったいない御言葉でしょうか。わたしもこうして愛読してくださる磨糠さまと御縁をいただけたことに感謝の思いがつきません。
ふふふ、こっそりと鶴に殉ずを盛りこみました。ほかにも組みこみたかったのですが、文字数が足りませんでした、残念。
言の葉を喰むへの応援コメント
夢見里 龍さま
こんにちは。
戦中戦後の色を失った世界にあって、そこだけが極彩色に彩られた匂い立つような言の葉喰いの描写に引き込まれ、一気に読んでしまいました。「言葉にならないはずのものに言葉という縄をかけて縛りあげ」という表現に魅了されます。
作者からの返信
佐藤宇佳子さま
嬉しい御言葉をたまわりまして、御礼申しあげます。
言葉を愛するものとしてどうしても書きたかった題材でした。はじめてこの時代の小説を書いたのでいたらない部分も多々あったかとおもいますが、こうして嬉しい御言葉をたまわり、感激いたしております。書いてよかった、とあらためて想えました。