待ち遠しい遊園地デート

今週末に白導と行く遊園地デート。

いままでなかった初めての経験にちょっとだけ緊張している。

でも、そんな緊張する手を堪えながら当日のスケジュールを立てる。

遊園地、私も白導も初めてだから休憩しつつ行ったほうがいいかな?


「ジェットコースター乗りたい!でも、白導は一緒に乗ってくれるかな......。」


嫌々で乗っちゃうのも楽しめないから、どうしよう......。

本人に電話して聞いて、スケジュール立ててみようかな。

というより、この時間にかけても白導は寝ちゃってるだろうしな。


「もう、分かんない......。スケジュールなんて考えなくていいや。」




最終的にスケジュールを立てるのを諦めた。

明日が遊園地デート当日なのに......これで満足して帰れるのかな?

明日、二人で遊園地を回りながら考えてみるかな......。


「眠い、だけど両親が帰ってくるまでは寝れないから。」


今日は、両親帰ってくる時間遅いのかな。

でもたまに、すごく早く帰ってくるときあるからよく分からない。

眠い、眠い、眠い、両親がいつもよりすごい遅い。

いままでこんな時間までいないの初めて。

朝になって帰ってこなかったら、警察に相談しに行こうかな。


「両親には悪いけど、先に寝ちゃおうかな......。」



その日は、朝になっても両親は家に帰ってこなかった。

警察に相談しに行かないと......。

交番は家から徒歩10分のところにある。

交番の警察官に両親の事情を説明した。

すると ――


灯火ともびさんの家の方ですか?」

「はい、そうですけど ――」


交番の警察官から衝撃のことを聞いてしまった。

両親が帰宅中に乗った電車が事故にあって1000人以上が亡くなったらしい。

その中には私の両親と10歳の弟であるりんと8歳の妹であるみやびも。


「それと、あなたのご家族が「ごめんね、大好きだよ。」と伝えてほしいと。」





話を聞いたあと、すぐに白導にも電話して事情を話した。


「両親と弟と妹が......事故で亡くなったって......警察から......。」

「そっか、今日の遊園地デートも辞めたほうが良いよね。気持ち的にも―」


駄目、駄目、それは行きたい。両親にも弟にも妹にも話してた。

白導と遊園地に行くんだっていう話を飽きるほどに何度も何度も話してた。

みんなは、「二人で家族の分もたくさん楽しんできて」って言ってた。

家族も楽しみにしてたのに気持ちの問題で変えることは出来ない。


「ごめん、やっぱり遊園地デート行こうよ。二人で、ね?」

「あ......わかった、明來がそう言うなら遊園地デート行こうか。」

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