心から楽しみたい遊園地デート......?

待ちに待った遊園地デートだけど、行く前にあんな衝撃なことを聞いた。

だから、心はだいぶ下がってるうえに遊園地が楽しめるわけがない。

なのに、なんで誤魔化して遊園地デート行こうだなんて言ったんだ。


「大丈夫?体調無理してない?辛かったら遠慮なく言ってね?」

「うん......大丈夫だよ......心配......いらない......。」




なんで?なんで、こんなことしか言えないの?

大丈夫じゃない、体調も精神的にしんどいし、ものすごく辛いのに。

なんで、本当のことが言えないんだろう......無理してるすごく、すごく。


「最初は何に乗る?ジェットコースターとか?」

「え......?ジェットコースター......乗ってくれるの?」


なんで、本当の気持ちが言えない。

一番最初は、休憩したい。この思いが晴れるまで休憩したいのに。

それなのに、なんで上手く伝えられないの?伝えたいよ......。






「ジェットコースター終わったら、ちょっとだけ休憩しようね。」

「うん、ありがとう。なんか、だんだん気持ちが晴れてきた......。」



やっと本当の気持ちが言えた。

さっきまでなんで上手く喋れなかったんだろう?

分からない、でももっと乗りたいものがあるの。付き合ってほしいな。


「次は、お化け屋敷行こうよ。本当のお化けに遭遇しちゃうかもだって!」

「お化け屋敷行っちゃう?お化けが怖いって泣いたりとかしないでよ?」



したくないよ、そんなこと。

そんなに子供じゃないんだから。変なこと言わないでよ。

でも、白導とだったら頑張ってゴールまで行けるかもしれない。



「お化け屋敷頑張ろう、白導!」

「だね、頑張らなきゃ誰かさんを守れないしね。」



たくさん遊んでいつの間にか夕方になっちゃった。

もうそろそろ帰らなけいけない時間くらいになるのかな?


「白導、楽しいけど....もうそろそろ終わらないと閉園時間になっちゃうよ。」

「待って、最後に観覧車だけ二人で乗りたいから。良いでしょ?」



観覧車、私も最後に二人で乗りたかった落ち着く乗り物。

でも今から、乗りに行ったらちょうど一番上に着くときには綺麗な夕日が見える。

そこから下に着くときには空は夜空に変わって、降りたときに満天の星が見える。

もうすぐ一番上に着く、綺麗なオレンジ色の夕日が輝いて見えるだろうな......。


「明來、見てごらん。遠くにオレンジ色の綺麗な夕日が ――」

「きれいな夕日が見えるね。ねぇ白導、肩借りてもいいかな?」


そう、白導の肩に頭をのせて見るオレンジ色の夕日はすごく綺麗だと思う。

あぁ、落ち着くな。白導と来た観覧車は私の永遠の宝物になる。

ずっとずっと、私たち二人と共に胸の中にずっと残り続ける。


「そろそろ、下に着いちゃうね。今日は、楽しかったな。ね?」

「うん、白導と来る観覧車また乗りたいな。楽しいよね?きっと」




観覧車から降りて空を見上げると、満天の星が暗い夜空を照らしていた。

そして、その奥で月が満天の星よりも広い辺りを照らし続けていた。

今日がもう終わる。そして、明日という未来が来る。それの繰り返しが形になる。

それが一日になって毎日を形作っているのだと思うと胸がいっぱいになる。

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