第3話

何で君は一人でいるの?ほらみんなと遊ぼうよ。その方が今よりきっと何倍も楽しいよ。

 あの子との出会いはこんな感じだった。小さな頃からヴァイオリンを習っておりたまたま人よりうまく出来たことから、徹底的に練習させられ、友達を作ったり遊ぶ暇があったならもっと練習しなさい。指が怪我するから外で、遊んではいけません。僕の全てをヴァイオリンに漬けて成功させることが幸せになるための一番の近道なんだと洗脳するかのように教え込まれてきた。

 母がヴァイオリンの先生と話すと言うことで待ちぼうけになってしまった僕は退屈で、つい黙って外に出てしまった。すぐ近くに公園がありそこのベンチに座りボーとしていた。いつの間にか公園には、たくさんの子供が集まり賑わっていた。


最近は、外で遊ぶ機会もなく知っている子はいなかった。そんな中いきなりベンチの隣に座ってきて話しかけてくる女の子が現れた。


「ねー何で君は一人でいるの?ほらみんなと遊ぼうよ。その方が今よりきっと何倍も楽しいよ。」


その問いに僕は答えることが出来なかった。

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