2なる物語 パンティー占い
ベルティアの「奇行」は、止まらなかった。
トーマスは平日、隣町のパン工場へ出かけ、お金を稼いでいる。また、ミリアは占い師で、この店兼自宅へやってくる客を占い、日銭を稼いでいた。
ミリアの占いは、とてつもなく当たる! との評判で、様々な人々が、この店兼自宅へとやってきていた。
中年女性のミリアにとって、ベルティアは、かなりミステリアスな存在だ。あたしの占いは、かなり当たるから、占いで彼女をみてみよう! そうすれば、何でベルティアがこんな奇行をするのかが、分かるかもしれない。
そこで、ミリアは、ベルティアを占おうとした。
占おうとしたその瞬間、ベルティアの目が♡マークとなる。なんで、目が♡になるんだい!? やっぱ、この子、おかしいっ! ミリアは、再びドン引きした。
「私を占う? いいけれども、……そうしたらきっと、私への愛が強く目覚めてしまうわっ! だからね、ミ・リ・ア♡
私を占ってくれる時にはきっちり、勝負下着を着てきてね!♡」
そう言ってギラ目でよだれをたらしながら、ミリアを見つめたのだ。
ミリアは、♡目で迫ってくる少女を、今度はほうきで、ゴルフボールを打つかの勢いで、ぶっ飛ばしたのだった。
彼女をぶっ飛ばしたあと、ミリアは大きくため息をつく。
ベルティアって子は、どうしてあんなことを、あたしにするのかね? だが、いくら考えても、答えは出なかった。
それからミリアは、「ベルティアなんか、二度と占うもんか!」 心にそう難く誓ったのだった。
ベルティアは、ミリアが仕事をしている時間帯には、邪魔しないで、亀のように大人しくしていた。
だが、ミリアの仕事が終わると、毎日のように、ベルティアがやってきた。
トーマスが帰ってくるまでの間の時間がかなりあったため、ミリアは、ベルティアの愛の奇行? にずっと悩まされることになったのだった。
「ねえ、ミリア! 今度2人っきりで、トーマスのヤローなんかはマジ抜きで、晩御飯でも食べに行かない? 食べたあとは、2人っきりで、宿屋に泊まりましょうね♡
そうして、眠るんだったらダブルベッドの上で、一緒に体をくっつけて眠りましょうね♡
だって、寒いし冷えるんだもの♡」
そう言ってミリアに口づけしようとした少女の顔を思いっきりビンタし、ミリアが怒鳴る。
「あんたね! いい加減におしよっ!! 人とくっついて眠るなんて、暑っ苦しいことこの上ないじゃあないか!
それに、オバサンの私と変な関係築こうとするんじゃあないよっ! あたしは既婚者で、トーマスを愛してるんだ! 子供も、それから孫もいる中年の女なんだよ!」
ミリアは、怒りに鼻の穴を大きくあけて怒鳴った。ベルティアが言っているのは、どう考えても、女同士の恋愛そのものだ。ミリアは、普通に男性を愛する人なので、ベルティアの存在がうざくてたまらない。
「あっ!ミリアの鼻の穴、大きいっ! ハナクソ見っけ♡ 取ってあげるよん♡」
それでもミリアに迫ろうとするベルティアに、今度はひじてつをくらわせた。
が、ミリアに殴られ、参るどころか、ベルティアは、何故かドンドン元気になっていく! この子、Mの傾向もあるのかい? ミリアはあきれ果てた。
「あっ!そういえばね、ミリア♡ 私、少し前からパンティー占いってものを、趣味でやるようになったの! ミリアはいつも、人の占いやっているでしょ? だから、今日は私がパンティー占いで、ミリアを占ってあげる♡」
また、ベルティアは、変態的なことを言う……! この子、頭おかしいのか!? ミリアは思う。
「何がパンティー占いだい!? ふざけるんじゃあないよっ!!」
ミリアは、さらに鼻の穴を大きく開きながら、怒りを露わにする。
だが、ベルティアは、楽しそうな笑みを浮かべつつ、ちょっといたずらっぽい目になった。
「私が考案したパンティー占いって、何枚ものおパンティーを使うのよね。
おパンティーは、色とりどりなのがいいのよね。ねえ、ミリア! ミリアのおパンティーで、占わせて!♡ あっ! 箪笥は確か、あっちだったよね! ミリアの色とりどりのおパンティー拝借しまぁ~~~~~すっ!」
そう言うなりベルティアが、ミリアとトーマスの箪笥のある方へと走り出してしまったのだ。
いつもいつも、このバカな小悪魔は、いたずらをしかける!
……しかし、今回は……!!
「やめとくれよっ!!!」
ミリアは、箪笥をまさぐりはじめたベルティアを、必死になって止めたのであった。
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