過去編《ある男の過去》
2-1 生存者”達”
迫りくるゾンビの大群から逃れるべく全速力で走る。と言っても、齢13の体での全力も限界がある。
「お前の限界はこんなもんじゃないだろう、まだまだ行けるよな、
眼の前のガタイのいい男は相変わらず根性論が好きなようだ。元自衛隊、
「そうだぞ、車があるとこまであと800mだ!!走り切るぞ!!」
白いシャツに身を包んだ
「「さっさと来い!!青二才」」
「だ、、から、、全力で走ってんだよ〜」
「お〜い、こっち〜」
道の奥から声が響く。そこには武装したオフロード車の窓から手を伸ばす女性がいた。
「ようやく、つい、、た、、、」
「全員乗ったね?「「「オウ」」」」。よしOK、突っ走るよ〜」
アクセル全開、ゾンビの群れを背に先ほどとは比べ物にならないほどの速度で突き放す。ようやく一息つけたと思ったら、両肩に衝撃が乗っかる。
「「食料調達、及び周辺偵察任務、完遂だ〜」」
狭い車内で暑苦しい声が響く。厚い肉壁にぎゅうぎゅうに挟まれたが、不思議と不快感はななかった。それから少しして、四人は
■■
「で、食を分け与え、無償の愛を注ぐ
物品搬入用の倉庫の一角のテントの中、千春が叫ぶ。
「しょうがないだろ。感染して無いとわかるまで菌の潜伏期間の一週間はなるべく人とかかわらないようにしなきゃなんだから」
「正論言うなしー」
「いや、何その語尾、、」
疲れた体をゴロゴロと癒やしている時にそういうことを言われるとイライラするからやめてほしい。いや、本当に。
「でもさ、もうちょっと待遇良くしてくれてもいいんじゃない?、そこ二人はどう思う?」
一緒に雀卓で麻雀をしている二人に話す。
「おー、おかしいなー」「そうだなー。あ、できた」
「え、すごい!!純粋九蓮宝燈(九面待ち)じゃん!!」
ガヤガヤと話す大人を尻目に寝転んでいると、後ろから声がした。
「おうおう、盛り上がってんじゃないかよ、、、て、すげー役出来てんじゃん。写真取らせて、て、カメラなかったわww」
そう話すのはこの
「おお、おっさん腕の調子は?」
「どっちの腕の話かい?って、もう一本しかなかったんだった!!」
以前の食料調達で左腕を噛まれ、感染が回る前に切り落としたその出来事以来、後方支援に回っている。
「ようし、全員集まったところで、乾杯と行こうか!!お前ら、ビールを持てあ、「佐々木」はジュースな」
瓶のコーラを投げ渡される。このコーラといい、こいつらの持っているビールといい、一体いつくすねてきたのか、、。そう思いながらも、瓶の栓を開ける。他の奴らも缶ビールを開ける。カシュっといい音が四回、倉庫の一角に響き渡る。
「じゃあ、現リーダーの俺が合図をする。お前ら、腕を掲げよ〜」
まだ飲んですらいないのに、呂律が回らない脳筋が声を上げる。
「かんぱーい」
「「「かんぱーい」」」
「全く、このバカどもは、、」
そんな大声を出して、馬鹿じゃないか。まあ、今日はいいや。そう思って自分も呟く。
「、、かんぱい」
瓶を握りしめ。コーラを口に含む。うん、うまい。
俺の名前は「
人類最後の逃避行 数多怜悧 @amamiyayuiti
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