10.TOKYO.02
現状を整理しよう。正面からはゾンビの大群。背面には火の海、この絶望的な状況から逃れる方法は2つ。
「やってくる
これに関しては却下だ。というよりもできない。目の前にはざっと見ても百を超える
「大群を縦断して、外に逃げる。一回限りの一点突破だ!!」
ショットガンをリロードしながら大群に突っ込む。傍から見れば完全な自殺行為だとはわかっている。ただ、何もしなくても確実に死ぬことは目に見えている。後悔の少ない行動を取る。今はそのためだけを考えて行動する。
「ドオリャーーーーーーーーーーーー!!」
叫び声と、銃声が燃え盛る街に鳴り響く。そこからは斧を振るい、ショットガンを使って
■■
銃声が鳴り響いた昼空は茜色の夕空へと変わり、いつもどおりの静寂の夜空へと変わりった。辺りには一切の明かりがなく、濁流の天の川と薄ら青い満月が空を覆う。そんな空に目もくれず、腹から血を流しながら病院の階段を上がる男がいた。
「まだだろ、こんなところで死ぬわけにはいかないぞ、、、■■■■」
自分の名前を久々に呼んだ気がした。手術室と書かれた部屋に入り、中身を漁る。
「針、、糸、、、、麻酔、は、、いい、、、、、、、、」
満身創痍の体を引きずり、自分でベッドに乗る。初めて自分で縫合をする。雑だが、今は止血できればいい。
「おら、、、どうだ、これで完成だ」
ひとまずの止血はできた。その後、病院を散策する。病院の窓はほぼすべて割られていた。おそらくガソリンスタンドの爆破に引き込まれて中にいた奴ら全員出てきたのだろう。
「通りで馬鹿みたいな数が来たんだ。こんなんは二度とごめんだね」
防災倉庫を漁り、いくつかの食事を見つける。だがその前に本来の目的を果たそうとガスバーナーの上で手術室にあった
ジュウウ
焦げた肉の匂いが部屋中に充満する。扉は閉めているが、気づかれまいと息を潜める。わずかな嗚咽が部屋に響く。腹に当てた
「これで、、止血は、、、完了だ、、、、少し、、休もう、、、、、、、、、、、」
「ククク、、、まるで、「あの時」みたいだな」
腰につけたホルスターから壊れかけのリボルバーを取り出す。何年も前、二人の男から受け継いだものをくっつけた
■■
「おい、坊主、早くしろ」
工事現場を思わせるつなぎを着た男が近くの少年に話しかける。
「坊主じゃないし、全速力だよ」
街の車道を全力で走る。いままでは車が通ってた道も、車一つ通らない。
「さっさとしろ、じゃねえと捕まるそ、」
シャツを着た屈強な体格をした男が少年に話しかける。
「だ、、から、、全力だよ!!!!」
後ろから迫りくるゾンビの大群を背に、三人の生存者は笑いながら走っていた。
■これは、現在から■■年前、2023年9月6日の出来事だ■
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