第160話

俊は領主としての仕事をこなしつつ夜は女性陣のお相手を頑張っていた。

男として羨ましいと思われるかもしれないが毎晩相手をするのは大変である。

執務中、俊は思わず欠伸をこぼす。

「俊様。お疲れですな」

「仕事中にすみません」

「いえ。事情はわかっていますから」

「マシター。建造中だった戦艦と空母が出来たのです」

明石に造船を頼んで1週間経っている。

予定通りに頼んでいた戦艦と空母が出来たようだ。

「明石。ありがとう」

「マシター。本当に私の好きに造ってもいいの?」

「いいけど、造る予定のデータだけはくれるかな?」

「わかったのです」

明石はすぐにデータを送ってくる。

ぱっと見では問題ないように見える。

「なんだか思ってたより普通だね?」

「今回は既存の戦艦をベースに主砲を弄ってるのです」

詳細を確認してみればエネルギー効率がかなりよくなっている。

それにより主砲の連射が可能になっているようだ。

「これが正式配備されたら影響がでかそうだね」

「問題がないわけではないのです。連射すると砲塔にそれなりの負担がかかるのです。試行錯誤してその辺を改良する必要があるのです」

「なるほどね・・・。資源には余裕があるから明石に任せるよ」

「任されたのです」




完成した戦艦と空母は星系軍に引き渡された。

まだまだ、広大な星域をカバーするには足りていないが贅沢も言ってられない。

それに、非戦闘員を受け入れたことでヴィレッタがそのカバーをしてくれている。

ヴィレッタの指揮する独立遊撃艦隊の一部はハーリー星系を拠点として哨戒活動をしているのだ。

俊はその見返りとしてヴィレッタの艦隊に優遇処理をしていた。

言わばお互いにウィンウィンの関係だ。

そのおかげもありハーリー星系は安定していた。

時折、偵察と思われる不明艦の侵入はあるがそれはどこの星系でもあることだ。

俊達のすべきことは領民の生命と財産を守り安心して生活をできるようにすることだ。

その為に出来ることを1つ1つこなしていくしかない。

俊はこの短期間に食料プラントや生活に必要な物の工場を増築していた。

それに危機感を覚えたのが企業である。

この後、企業のお偉いさんとの面談の予定が入っていた。

「ふぅ・・・。気が重いなぁ・・・」

「お気持ちはわかりますがお仕事ですよ」

企業は不正の代償として罰金を支払わされたりと行政に対して不満を覚えているのは間違いない。

今まで咎められていなかったのがおかしかっただけだが逆恨みされていてもおかしくない。

それを考えればあまり相手にしたくないというのが俊の正直な気持ちだった。

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