第146話
日中はひたすら走らされる。
たまに知識を確かめるように試験を出されるが俊としては知らない知識のため時間ぎりぎりまで粘って回答するがほとんどの問題が不正解だ。
その為、他の参加者が休んでいる間もペナルティーとして走らされる。
唯一気が休められるのはシミュレーターだ。
明石が作ってくれた課題のお陰でここまではなんとかなっている。
細かいミスはあるものの出された条件はクリアできているのでシミュレーターが終われば少しだけ休むことができる。
ペナルティーを受けている他の参加者にはもうしわけないがこの少ない休憩時間で体力を少しでも回復させなければならない。
試験を担当する親衛隊の面々は頭を抱えていた。
俊は体力面はぎりぎりであるが合格だ。
シミュレーターの成績は問題ない。
問題となっているのは知識面だ。
兵士として押さえて置くべき知識がまったくないのである。
「おい。どうするよ?」
「どうするっていわれてもな・・・」
「このまま試験を継続しかないだろ」
「資格だけ取らせて知識面は終わったら叩き込む」
そう熱く語ったのは今回の試験の責任者だった。
俊は溜まっている政務に加えて親衛隊による強制勉強会が決まった。
その後も試験は続き多少の脱落者を出しつつも全ての試験が終了した。
「今日この時をもって諸君をスターズ保持者として認める。次の者は補習だ。俊・マーキュリー。貴様だ!」
「補習ですか?」
「返事は?」
「サッ。イエッサー」
「お前にはこれから兵士としての必要な知識を1ヶ月で学んでもらう」
「えっと・・・。政務があるんですが・・・」
「それも承知している。だが、必要なことだ。諦めろ」
「わかりました」
「では、解散だ」
俊は疲労の溜まった体で執務室に向かった。
「お疲れさまです。無事、スターズの称号を得られておめでとうございます」
「ありがとうございます」
「ふむ・・・。まずはしっかりと休んでください。疲労の溜まった体では政務はきついでしょう」
「いいんですか?」
正直に言えば今すぐ寝たい。
「休めるときに休むのも領主としての仕事です」
「わかりました。では、休ませていただきます」
俊は自室に下がるとそのまま泥のように眠りについた。
丸1日休んだ俊はお腹が減っていることに気づいた。
疲労はかなり取れたが外に食べに行くほどの元気はない。
備え付けられている自動調理器で和食を選び食べる。
ガツガツと食べた俊は1食では足りず結局追加でもう1食食べた。
腹ごしらえも済んだところで俊は執務室に向かった。
執務室ではマーカスが書類と格闘しているところだった。
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