第139話

ヴィービルは躊躇なく宇宙海賊の拠点に突撃していく。

そして、脅威となる兵器のみを的確に破壊する。

宇宙海賊達もただやられてばかりではない。

圧倒的に不利な状況であるのにヴィービルに立ち向かい反撃を試みる。

だが、その勇敢な行動もヴィービルが展開したシールドの前には無意味だった。

自分達の攻撃が通じていないのはすぐにわかったのだろう。

そうなると宇宙海賊達にとれる行動は逃げることだけだった。

宇宙海賊の拠点から次々に宇宙船が逃げていく。

戦闘は終了したと判断してもいいだろう。

ヴィービルはロストシップとしての性能を遺憾なく発揮した。

これで万全の状態でないというのだから恐ろしい。

すぐにエルフ達が宇宙海賊の拠点を制圧すべく行動を開始した。

拠点の中には逃げられなかった宇宙海賊達が大量に残っていた。

一部は抵抗を試みてくるがそれもすぐに鎮圧される。

残されたのは奴隷のような扱いを受けていた人々がほとんどだった。

この拠点では違法に採取した鉱物資源を加工していたようで一種の工場のようだった。

設備の質はよくないが、改良を加えれば十分実用に耐えられるだろうとの報告がなされた。

拠点の規模は小規模であり大型船で牽引すればそのまま移動させられるとのことだったのですぐに許可を出した。




ヴィービルとエルフ達は強力して次々に宇宙海賊の拠点を襲撃する。

その結果、得られた宇宙海賊の拠点の数は3桁に届きそうだった。

これだけの数の拠点が造られていたのに放置されていたことを考えると頭が痛くなりそうだ。

どれだけの資源を宇宙海賊に盗られていたかは考えたくもない。

だが、これだけの拠点を潰せばしばらくは宇宙海賊も大人しくしていることだろう。

それよりも問題となるのは奴隷のような扱いを受けていた人々だ。

彼等の生活を保障するとなるとかなりの出費だ。

食料もステーションに備蓄されていた分を解放しているがこのままだと足りなくなるのは間違いない。

あまり使いたい手ではないが各商会に依頼を出して輸入するしかないだろう。

そして、宇宙海賊の拠点の中で問題となったのは麻薬や違法ドラッグの生成を生業としていた拠点だ。

保存されていた違法薬物に関しては焼却処分するしかなかった。

拠点に関しても再利用できないので消毒もかねて一度解体するしかない。

生成に関わっていた人々は中毒症状が出ている人も少なくなかった。

使用していなくても作成の中で成分を取り込んでしまっていたようだ。

治療に関しては医療ポッドに1週間ほど入っていれば何とかなるとのことで一安心であった。

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