第129話
信濃と入れ替わる形で明石がドック入りした。
これから明石を大改装をするとのこと。
無事に完成した信濃であるが、実際にどの程度の能力があるのか調べるために宇宙生物狩りに向かうことになった。
試験に同行するのは俊、楓、ハルカ、アカネ、シオン、フィーネ、エルフィンド、マーチェ、明石、信濃である。
「全員で出てきちゃったけどよかったのかな?」
俊は領主としてやらなければならないことが山のようにある。
「そうですねぇ。でも、いつも領主がいるとは限りませんから・・・。領主不在でも問題なくまわるか確認するいい機会だと思います」
マーチェは信濃のデータを確認しつつそう言ってくる。
「それはそうだけど・・・。それに、明石まで来ちゃってよかったの?」
「大丈夫なのです。常にデータはやり取りしてるのです。遠隔からの指示でも問題ないのです」
明石はない胸を張って元気に言い切る。
「それで、目標は?」
「かなり規模のでかい群れですね。今までは不測の事態を恐れて手を出してこなかったのですが、信濃の初陣には丁度よさそうです」
俊もデータを確認する。
見慣れた宇宙生物もいれば見たこともない宇宙生物が確認できる。
宇宙生物と言っても個体差がかなりあるようだ。
「見たこともない個体がいるんだけど・・・」
「今まで私達が倒していたのは小型種と言われる奴です。今回の群れには中型種が混じっていますね」
マーチェは必要なデータを転送してくる。
記録によれば銀河帝国艦隊が過去に相手をした時の情報だった。
「5個艦隊で対応したって書いてあるんだけど・・・。分が悪くない?」
「いえ。信濃がスペック通りの性能を発揮すればなんとかなりますよ。エルフィンドさんもいますし」
「エルフィンドかぁ・・・。そういえば、精霊で戦闘能力が上がるって言ってたね」
「精霊の強化はかなり強力ですよ。単艦で銀河帝国艦隊を蹴散らした例もあるほどです」
「強すぎない?」
「強いですね。なので、皇族の方々もエルフの方々を怒らせないようにしているわけです」
父であるカールが同じ公爵家なのに弱腰であったはずだ。
艦としての性能が同じでも精霊が強化している艦に勝てるはずがない。
「でも、よく問題にならないね・・・」
それだけ強いなら我を通しそうなものである。
「元々、エルフの方々は温厚ですから。怒るのは精霊や同胞に手を出された時だけです」
強力な軍事力を持つアピス公爵家と繋がりはできたが、頼りすぎるのもよくないだろう。
関係についてはよく考えた方がよさそうだ。
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