第123話
ポール貿易が活動をはじめてから、宇宙海賊の活動が収まりはじめた。
これは、何か取引をしたということだろうか。
そもそも、宇宙海賊とは何なのか。
犯罪者の集まりであることは間違いない。
だが、中には領主の圧政に耐えかねて逃げた人々もいる。
逃げ出した人々は、真っ当な仕事をに着くことが難しく、最終的に犯罪行為に手を染めることになる。
中には採掘などをしてそれを組織に収めたりという人もいるらしいのだが、領主の許可なく採掘すればそれは盗掘となる。
採掘ギルドは少なくない、採掘料を領主に払っているのだ。
それにより、ギルド員は法的に守られる形となる。
「俊様。ご相談があります」
「レティシア准尉。どうしました?」
「宇宙海賊として活動していた者を受け入れてはいただけないでしょうか?」
「受け入れるとは?」
「領主の圧政から逃れる為に、宇宙海賊になった人々がいるのはご存じですよね?」
「えぇ。知識としては・・・」
「今回、ご相談しているのは採掘などで生計を立てている人々になります」
「受け入れるとしても戸籍の問題とかありますよね?」
「そこは、こちらでうまい具合に処理いたします」
「それでも、一般の人々と同じように扱うわけには・・・」
「奴隷になることを全員納得しております」
現在、働き手はどれだけいても足りない状況だ。
移民が来る手はずになっているが、それでもまだ人手不足になることがわかっている。
「わかりました。受け入れましょう」
「ありがとうございます」
レティシア准尉は満面の笑顔を浮かべている。
「嬉しそうですね」
「彼等と接していると、本当に生活がギリギリの人も多いですから」
実際に接することが多い彼女としては思うところが大きいのだろう。
こちらとしても宇宙海賊にダメージを入れられるし悪い話ではないだろう。
「マーチェ。悪いけど相談に乗ってくれるかな?」
「どうしました?」
「訳ありの奴隷を受け入れることになってね・・・」
「訳ありですか・・・」
「基本的には採掘を任せようと思うんだけど給料とかね・・・」
「生活を最低限保証するだけではダメなのですか?」
奴隷とは基本的に雇用主が衣食住を保障して給金を払わないのが基本だ。
だが、俊としては給金をしっかり払い、自分を買い戻すチャンスを与えたいと思っていた。
「色々思うところがあってね」
俊はマーチェに自分の考えを伝える。
「なるほど・・・。まぁ、責任者は俊様ですから」
思うところはあるようだが、マーチェも賛成してくたので奴隷の問題はこれでいいだろう。
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