第108話
惑星に撒く、生物の遺伝子が届いた。
最終チェックを済ませ、惑星にばら撒く。
順番もあるらしく、完了するまで1か月ほどかかる予定だ。
宇宙の方でも変化があった。
予想されていたことではあるが、宇宙海賊が確認された。
規模の大きな宇宙海賊が確認されていないのが救いだろうか。
被害も今のところ、護衛をつけずに採掘をしていた者だけに限られている。
資源を差し出せば見逃してもらえるため、大きな問題とはなっていないが、領主としては放置するわけにもいかない。
楓、ハルカ、アカネ、シオン、フィーネ、エルフィンドは宇宙生物退治を優先しているため、従業員の中から即応の戦力を新たに創設した。
部隊構成としては軽巡洋艦1艦と駆逐艦10艦を1つの部隊として5部隊、試験的に運用する形である。
現在、確認されているのは民間船を改造した宇宙海賊だけであるが、相手の規模によっては戦力を補充することも視野に造艦を急いでいるところだ。
「俊様。少し休まれたほうが・・・」
「そう言う、マーチェこそ休みなよ」
領主というのを少し舐めていたかもしれない。
人が増えれば増えるほど忙しくなる。
ブラック企業も真っ青な仕事量である。
サポートしてくれる人員も雇ってはいるが最終的な決裁は俊かマーチェの印が必要だ。
その為、2人はあまり休めていなかった。
そこにステーションの管制局から連絡が入る。
「俊様。銀河帝国艦隊の艦が来ております。どうしましょうか?」
「なんだろう?マーチェは何か聞いている?」
「詳細は聞いてはおりません。ですが、恐らく、俊様の親衛艦隊ですね」
「親衛艦隊?」
「俊様は皇族です。普通は専属の護衛が付くものです。今までいなかった方がおかしいんですよ」
「そういうものかな?とにかく通信をまわしてもらえる?」
「わかりました。繋ぎます」
少しラグがあるようだが、接近中の銀河帝国艦隊に繋がった。
「こちらは銀河帝国艦隊第5788親衛艦隊旗艦ニヌルタです」
「惑星、雪風領主の俊・マーキュリーです」
「皇帝陛下の命でこれより護衛につきます。お許しいただけますか?」
「断るわけにはいきませんよね?」
「はっはっはっ。面白いご冗談をいいますね」
顔は笑っているが目が笑っていない。
まぁ、断られたら彼等は行き場所がないだろう。
それを考えたら受け入れるしかない。
「管制の指示に従って入港してください」
「了解しました」
相手はぴしっと敬礼して通信がきれた。
親衛艦隊が到着したとのことで俊とマーチェは迎えにでる。
そこで意外な人物と遭遇した。
何かとお世話になっているドリトルさんである。
顔を見れば何やら複雑そうな顔をしていた。
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