第107話
ここで核融合炉について説明しようと思う。
2024年現在、地球では核融合炉は開発、研究段階である。
核融合炉は人工的に核融合反応を起こさせ、そのエネルギーを利用する技術である。
そのエネルギー量は膨大な物となり、時に人工太陽と呼ばれる。
その作られるエネルギー量は1基あるだけでステーションの全エネルギーを補える程だ。
多くのステーションでは不具合が起きた場合に備え、2~3基、設置されている。
ブラックホールエンジンよりは使う資源が少ないがそれでもほいほい使い捨てにしていい物ではない。
それを考えると技術者達の頭のねじはやはり何本か外れているのだろう。
ちなみに戦艦などに核融合炉が積まれることは少なくない。
明石にも核融合炉が使われている。
続いて、ブラックホールエンジンについてである。
簡単に言えば人工的にブラックホールを作り出し、エネルギーとなるものを吸い込ませる。
そして出てきたエネルギーを回収する。
回収されたエネルギーは増幅された状態となる。
増幅されたエネルギーの一部を再びブラックホールに入れれば無限のエネルギーを得られるという夢のような技術である。
ちなみに地球ではこの仮説をペンローズ過程という。
実際に似た状況を作り出し音波で試した研究者グループがいる。
実験の結果、音波は増幅されることが確認された。
ブラックホールエンジンはまだ、開発されてから時間があまりたっていなかったりする。
まだまだ、どのような不具合が潜んでいるかわからない研究途上の技術と言える。
完成させたのは頭のねじが吹っ飛んでいる技術者達である。
色々問題のあるこの技術者集団は各地で問題を起こし、行き先のなかったところをカールが拾い上げた経緯がある。
カールが拾い上げた後も好き勝手に研究、開発を繰り返し、資源を湯水のように溶かしたり、研究所を吹き飛ばしたりと問題の数をあげたらきりのない集団である。
結果を出している為、叱責するわけにもいかない。
今も、自分達の欲を丸出しで色々な技術を詰め込んだ戦艦を造っている。
なぜ、技術者達の話をしたかと言えば、度々ドック区画に足を運んでいるからだ。
呼び出しを受けるならまだいいが、短いスパンで爆発やら火災やらを何度も引き起こし責任者として状況の確認と説教をしなければならないからだ。
その様子を見て父であるカールは苦笑いしていた。
この程度の被害ならまだまだ軽い方らしい。
マーキュリー領ではもっと大きな問題を何度も起こしているとのこと。
技術力は凄いのかもしれないが、爆弾でもある。
俊は何度も頭を抱えることになりそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます