第44話

俊達はドリトルさんをステーションに送るついでにステーションに来ていた。

ステーションは見ない間に様変わりしていた。

「すごい変わってますねぇ」

「出来たばかりのステーションでは、よくあることよん」

「取引は僕がしておくから、皆は自由にまわってて」

「はい」

「それじゃ。私は、もういくわねん」

「今回は、誘ってくれてありがとうございました」

手を振りながらドリトルさんは去って行った。




俊は採掘ギルドにやってきた。

「あら、ヒーローのお出ましね」

「シュンミンさんも、見てたんですか?」

「見てたわよ。一種のお祭りだもの」

「知り合いに知られてるとなんか恥ずかしいですね」

「それで、今日は資源の買取でいいかしら?」

「はい。お願いします」

俊は資源のリストをシュンミンに送る。

「確認したわ。いつも通りにお願いね」

大型輸送艦を搬入の為に、指定の場所に移動させる。

問題は起きず、資源の売却はすぐに終わった。




採掘ギルドを出ると、何故か、カメラを構えた人とマイクを持ったレポーターの人が待ち構えていた。

「俊さんですよね?」

「ええっと・・・」

「私達、銀河ネットワークの記者です。スペースウォーで大活躍した、貴方のお話を、聞きたくてやってきました」

このような経験をしたことはないので困惑してしまう。

「少し、お話を聞くだけですから、お願いします」

「そこまで言われるなら・・・」

記者は笑顔を浮かべ、色々なことを聞いてきた。

俊は無難に質問に答えていく。

「お付き合いいただきありがとうございました。これ少ないですが謝礼です」

レポーターはそう言って端末に少なくない額のお金を送ってくる。

「それでは、また、機会があればお会いしましょう」

レポーターの人とカメラマンの人はそう言うと去って行った。

「おう。有名人じゃないか」

「アズマさん、いつから見てたんですか?」

「最初からだな」

「声をかけてくれればよかったのに」

「いやいや、メディアには関わりたくない」

気持ちはわからなくもない。

今のやり取りだけでもかなり疲労感を感じた。

「それで、何か御用が?」

「優勝祝いでもしてやろうと思ってな」

「ありがとうございます」

アズマと一緒に向かったのはいつもの居酒屋だった。

下手に高級な店に連れていかれるよりかはよほどいい。

「それにしても、思いきったことをしたよな」

「皆にも言われましたよ」

「まぁ・・・。費用を考えたら現実じゃ無理だな」

駆逐艦ならまだしも重巡洋艦であんな手は使いたくない。

それぐらい、重巡洋艦は高価な艦なのだ。

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