第10話 幼馴染は敏感
「痛いなぁ~、何すんの!」
「言葉を選べ馬鹿垂れ、後当たってないからな」
「だって男からの視線酷いもん!」
彼女が大きい声でそう言うと、キャーキャー騒いでいた女性が僕らを見ていたのを紅羽を変な目で見てると勘違いしたのか見ている男子たちを睨みつけていた。
男子たちは女子の視線に急いでスマホに目をやり、やり過ごす。
あの視線に突き刺さらないのは、ある意味助かったと言えるが。
「前から思ってたんだが、お前って自意識過剰だよな……」
まぁ実際、可愛いんだからわかるけど。
普通なら自意識過剰と言われような言動でも、彼女が言うと誰もが認めざる負えないくらい可愛いのだ。
「気にしすぎって言いたいわけ?」
気にしすぎとは言わない、だって可愛いんだもの。
可愛いんだけど……。
「どこ見てんだおい」
僕が彼女の顔から視線を落とす。
彼女の悩みであり、弄ると逆鱗に触れる慎ましやかに膨らんだ胸部を見ると可愛らしい笑顔とは裏腹に低い声だった。
どこから出した、その声……。
「思った以上に女の子って視線に敏感なんだからね!」
「それにしたって……」
「……何か言いたそうね、訴えようか?」
僕は顔をそむけると、彼女は口を尖らせそう言ったが、その姿に僕は不意に可愛いと思ってしまった。
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