第9話 幼馴染は自意識過剰?
「そう、よかった~」
「っというかそんなことになってたらドン引きだけど」
僕は彼女の顔を覗き込むと、目の下に少しクマが出来ていた。
まだ眠そうだな。
「な、なに!?」
「んや、まだ眠そうだなって……昨日は何時に寝てた?」
「んっと……あの後深夜テンションで眠れてなくて」
だから朝、テンションが高かったのか。
なんだかいつもよりテンションが高い気がしたのはそういう事だったのだ。
「もう少し寝てろよ、駅に着いたら起こしてやるから」
「いいよ、遠慮しとく」
「無理しなくていいのに……」
「無理なんてしてない、むしろ周り見てみ」
そういわれ周りを見ると男子は羨望と嫉妬の眼差し、女子はきゃーきゃー騒いでいる。
男子の中には今にも血涙を流しそうな雰囲気のやつもいた。
まぁ、こんな可愛い女の子が男の横で無防備に寝ているのだ。
女子はきゃーきゃー、男子は僕を睨みつけて当たり前か。
「こんな視姦された中、安心して寝れるわけないじゃん」
彼女の視姦という言葉を使ったので頭を手の甲で痛くないように乗せる。
周りに聞こえないとはいえ、あまりにも言動が下品極まりなかった。
「痛!」
「当たってないだろ」
そんなに痛くないのにリアクションをとる彼女。
辺りにはDV彼氏だの許せんだの誤解が生まれている。
理不尽である。
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