第2回 最強の家族愛!沙奈絵&亮にい 春野カスミ様作「東京行きたい。」より

 第2回は……


 春野カスミ様作

「東京行きたい。」

 https://kakuyomu.jp/works/16817330662597057167

 より、最強の家族愛!沙奈絵ちゃん&亮祐さん(亮にい)です!!


 ネタバレベル ★★★(中盤までのエピソードにがっつり触れます、そこまで読んでないネタバレNGな方はバック!!)


 最終話まで読んで感想を書いています。



 あらすじ――――――――


 衝撃のラストに乞うご期待!

 ***

 中学3年生の和泉沙奈絵は、自分の住む田舎にウンザリしていた。そして、東京の高校に進学したいと叔父に相談するが、過保護な叔父は許してくれなかった。

 沙奈絵は町の人たちの想いに触れながら、地元を離れるとはどういうことなのか、考えるようになっていく。

 最後に沙奈絵が出した答えとは──?


 ――――――――――――


 さてさて、今回もまずは作品について語らせてください。


 主人公の沙奈絵ちゃんは、東京にすごく憧れのある女の子です。

 都会と大人に憧れがあるのかな?

 自分ももう大人だから、立派に田舎で生活したいと思っているのかな?


 タイトル通り東京行きたい、と沢山言いますが、「大人になる」という表現も沢山出てきます。

 「大人になった」ではなく、「大人になれない」「少し大人になれる気がする」等、大人になることへの憧れが垣間見えるんです。


 都会への憧れ、大人への憧れ。

 思春期あるあるでは!?

 沙奈絵ちゃんは中学3年生、ちょうどそれくらいの時期、みんな思うのでは!?


 よく書けてるなと思いました。中学時代の私が読んだら「わかるよ沙奈絵ちゃん……。」ってずっと言ってると思います。

 今読んでも、沙奈絵ちゃんと同じくらいだった時のことを思い出して、「わかるよ沙奈絵ちゃん……。」って思いました。


 そんな沙奈絵ちゃんが過保護な叔父さんを説得しようと頑張ったり。

 町の人達と交流していく中で、地元の良さや自分の気持ちを再確認していくお話です。


 この作品、ここまで紹介を読んで、主題が『地元愛』だと思うじゃないですか?

 違うんです、いや違うわけではないんですが、もう1つ、本編を読めば強く感じるものがあります。


 それは――『家族愛』です。


 素晴らしい家族愛が見れます、最高です。感動します。

 あらすじで匂わせるべきです、あらすじに書いてください。


 『地元愛』と『家族愛』が心を揺さぶってきて、お家を大事にしよう、と思わせてくれました。

 もし私が一人暮らしをしていたら、実家に帰りたくなったと思います。


 沙奈絵ちゃんと同じくらいの私達が共感できる、大人の皆さんは懐かしむことができる、そういうお話です。



 さて、今回はこちらの作品から、主人公の沙奈絵ちゃんと、その叔父、亮にいこと亮佑さんをご紹介しましょう!


 沙奈絵ちゃんは、お母さんを早くに亡くし、お父さんが家を出て行ってしまったので、叔父――父の弟にあたる亮にいと暮らしています。

 亮にいは飲食店を経営していて、沙奈絵ちゃんはお手伝いをしてます。偉いねぇ!


 亮にいも沙奈絵ちゃんのことを本物の娘のように可愛がっている――からか、とっても過保護です。

 中3の沙奈絵ちゃんに、絶対防犯ブザーを持たせるくらい過保護です。


 ……ここまで過保護な親、中々いないですよね?

 私の親も過保護ですが、ここまでではありません。

 中学3年生で防犯ブザー持ってた人いますか?私は見たことありません。


 過保護な亮にいと、心配されすぎてうんざり気味な沙奈絵ちゃん、可愛いですねぇ!

 既に可愛い。


「防犯ブザーもったか?」


「持った。」


「何時に帰ってくるんだ?」


「門限までには帰ってくる!」


 的な会話をしているところが目に浮かびます。

 作中では描写されてませんが、絶対こういう尊いやりとりがある!

 断言できます!(できません)マジで可愛い。


 今作、この2人、いきなり喧嘩するんですよね。

 喧嘩――というか軽い言い合い的な感じなんですけど。

 どうしても東京に行きたい沙奈絵ちゃんが捨て台詞を吐いて部屋に帰っちゃうんです。


 なのに亮にい、翌朝普通に起こしにくるんですよね。

 沙奈絵ちゃんは昨日のことがあるから「うげっ、亮にいっ!」って言うんですけど、亮にいめちゃ普通。

 普通に起こしにきて、今日は店番の日だから支度しろって。

 拍子抜けしちゃいます(笑)。


 家族の距離感ってこんな感じだよなーって思いました。

 しょーもない喧嘩とか、朝になったらなんとなくおしまいの雰囲気になってる!みたいな。(※個人の意見です)


 それで支度してる沙奈絵ちゃんに、亮にいは東京に行きたい理由を聞くんですよね。落ち着いて。平然と。

 亮にい、めちゃくちゃいい親では!?(叔父ですが)


 1晩の間に、沙奈絵ちゃんのこと考えてくれてたのかなーって思いました。

 理由も聞かず、駄目な理由も言わずに否定されたらは?ってなりますよね。


 ちゃんと理由を聞いてくれる亮にい、沙奈絵ちゃんのことちゃんと考えてる感すごくて……もう……好きです。

 しかも一旦終わった、面倒な話をわざわざ掘り返してまで。誠意がすごい。


 そんなとっても素敵で頼れる大人!って感じの亮にいなのですが、沙奈絵ちゃんの実父のことで色々あって、失言してしまうんですよね。


「あぁクソっ、何で兄さんはお前を置いていったんだよ!」


 と。しかも、沙奈絵ちゃんの聞こえるところで。

 これも後々、読み進めていけば真意がわかり、悪い意味じゃなかったとわかるんですが……沙奈絵ちゃんがこの言葉を聞いて、ショックじゃないわけがないですよね。


 沙奈絵ちゃんは、実父が置いていったと思っていて。

 亮にいだけが、信じられる家族で。


 ――私は、いらないってこと? 私、亮にいにも、いらないって思われてたの?


 と、そんなマイナス思考が頭の中に。

 恐らく、自分を置いて行った父親と、亮にいの言葉が重なってしまったんですね。


 ずっと抱えていた寂しさや、不安が溢れてしまって、泣いちゃったんです。


 もう亮にいに酷いことを言われたとか、関係なく。

 全部ひっくるめた不安が溢れて、「誰にも必要とされないなら、私、生まれてきたくなかったよぉ……!」って言っちゃうんです。


 本当は亮にいにもいつか捨てられるんじゃないかって、不安だったの。


 と、心の中で言っております。


 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛沙奈絵ちゃーーーーん!!

 そんなことないよ、誰にも必要とされてないなんて、そんなわけないでしょ!?

 私が沙奈絵ちゃんを必要としてるよおおぉぉぉぉ!


 って、私は叫んでおりました。

 お話の世界に入って、沙奈絵ちゃんを抱きしめてあげたい!!って思ってました。


 ――が、そんな必要はありませんでした。


 何故なら亮にいが、沙奈絵ちゃんのことを抱きしめたからです!

 はああぁぁぁ尊いっっ!!好き!ナイス亮にい!!


 ぎゅっと抱きしめた亮にいは、「ごめん、沙奈絵。」って言うんです。

 寂しい思いをさせてしまったこと。

 寂しかったことをわかってあげられなかったこと。

 子供がいなくて、子育てとか全然わからないこと。


「不出来な叔父で、ごめん。」と。


 全っっっ然不出来じゃないですよ!?

 めちゃくちゃ素敵な叔父さんだと思いますよ!?

 古橋さん(詳しくは本編)にも「本当の親子みたいだ」って言われたでしょ!?


 そりゃあ沙奈絵ちゃんを不安にさせるようなこと言ったのは最悪だけどさ!それ以外最高の父親代わりだったと思いますよ私は!!


 その反省とか、“愛”は沙奈絵ちゃんにちゃんと伝わりました。

 亮にいの愛を。叔父さんの愛ではなく、義父亮にいの愛を感じたそうです。


 ここ!ここ重要ですよ!?

 沙奈絵ちゃんは義父の愛を感じたんです!叔父さんではなく義父の愛をっ!

 ずっと仲良くやってきたであろう2人が、ここでようやく、1番強く心が通じ合ったってことではないでしょうか!?


 強く心が繋がって仲直りした2人。

 亮にいは責任を持って沙奈絵ちゃんを育て、東京に送り出すことを誓います。

 そして嬉しさで、泣き止もうと思っていたのに涙が止まらなくなる沙奈絵ちゃん。


 この2人の尊い家族が、次の段階に進む時が来たのだな……。って感じです。

 感動の瞬間!家族モノのドラマか何かなら最終回でいい!!


 ……と、ここで応援コメント欄、私が初読時(10月27日)に衝動的に残したコメントを発見しました。


『はあああ好き 仲良しだから秒で仲直りできるのね……』


 とのこと。

 うん、今の私とほぼ同じこと言ってますね!


 普通こんな大規模(?)な喧嘩、すぐ終わりますか?

 家族だからって、こんなに大きな失言を1回寝たくらいで解決できないでしょう?


 なのにこの2人、すぐ仲直りして元通り――どころか更に絆が深まっていますよね?

 10分もかかってないくらいで仲直りしてます、多分。


 こんなにすぐに仲直りできるのは、2人が長年積み上げてきた信頼や絆があるからではないでしょうか?

 そうですよね?少なくとも私はそうかなって思いました。


 まーじで尊い、尊すぎる。

 本物の家族愛。最早本物の家族。最高。


 沙奈絵ちゃんが東京に行っても、もし何かの間違いでお母さんが生き返ったり、お父さんが帰ってきたりしても、この2人の仲は続いていくんだろうな、と思います。

 この先何があっても、きっと、家絶対2人の仲が悪くなることないでしょう!!



 他にも(ちょっと訳ありの)常連さんの古橋さんに「本当の親子みたいだ」って言われたり、沙奈絵ちゃんのちょっとした悪戯にすぐ気づいたり。


「忘れ物は?」


「大丈夫。」


「駅まで車で」


「歩いていけるよ、亮にい」


 と、私が言ったのと似たような可愛らしいやり取りがあったり。


『もう大人に近づいてるけど、まだまだ甘えたいお年頃』な沙奈絵ちゃんと、『いい親感のすごい過保護叔父さん』の亮にい、本当にほっこりする素敵家族……っ!

 既に完結済み、全9話約1万字でさくっと読めちゃうので、皆さんも是非ほっこりしに行ってください!

 沙奈絵ちゃんと亮にいの関係性にほっこり感動した後、とってもびっくりで感動しちゃう、意外な展開が待っていますよ……ふふふ。


 以上!春野カスミ様作

「東京行きたい。」


https://kakuyomu.jp/works/16817330662597057167

 より、最強の家族愛!沙奈絵ちゃん&亮祐さん(亮にい)でした!!


 素敵な関係性、私の萌え所、少しは共感していただけたでしょうか?

 少しでもいいと思った方は是非、本編まで沙奈絵ちゃんと亮にいに会いに行っててあげてください!


 萌花はいつでも関係性に飢えています!素敵な関係性あれば、是非お勧めしてくださいね!

 最後までお読みくださりありがとうございました。

 そろそろ、次なる関係性を探す旅に出ます!また次回〜!!

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