主人公のマコトは宇宙飛行士を夢見て挫折した経験を持つ27歳の男。年齢も年齢で、その夢はとっくに諦めていました。そんな中、月面基地建設中の事故に幼馴染みのミノリが巻き込まれ、行方不明になったことをマコトは旧友から知ります。
ミノリは幼馴染みとして身近な女性でありながら、宇宙飛行士として順調にキャリアを積んでいて、マコトにとっては挫折の象徴でもあります。その複雑な思いが紡がれ、疎遠になっていた時期のミノリの思いが旧友から伝えられる場面は、実にエモーショナルで胸を打ちました。
そして、マコトは再起を決意します。ミノリの生存は絶望的な状況だと思うのですが、どうやら必ずしもそうではないようです。作中ではこの謎は明らかにならないのですが、この話をした旧友の確信めいた言葉がそれを期待させます。
マコトとミノリの再会を願わずにはいられず、ぜひ続きを見たいと感じた作品でした。