第4話

縋りなく和服の幼女。私は足をどけた。

そして自分にやられたように幼女の前髪を掴み顔を無理矢理上げた。

涙と鼻血とよだれと汗と恐怖と痛みとでぐしゃぐしゃな顔。しかし綺麗で整った顔をしていた。その中で一番気になったのは、目隠し。

「あぁ、痛い・・ごふっあ、が、離してください!ごめんなさいごめんなさい」

私は無視して目隠しに上げる。

2つの窪み。幼女には目がなかった。

「やだやだやだ、見ないで・・・見ないで・・・」

漆黒。窪みの奥が見えないほどの黒。

気持ち悪い。嫌悪感が胸を染める。

私は幼女に問いただした。

君は誰?自分の目を探してるの?何で私の所に来たの?

「わ、我は我の目を探してるだけ・・・貴方が、ごふっふーひゅーひゅー・・・あ、ごめんなさい!」

私は気にせず続きを喋れと言った。

「はい・・・・貴方が円陣に入れたからも、持ってると思って・・・我の目はの力があれば行き来は自由だから、フーフー・・・」

円陣?目の力?そういえば乗ったのは山手線なのにいつまでも駅に着かない。

分からない事だらけだ。一から用語と一緒に説明してもらおう。

私は手を離した。幼女は一層咳をして液体を撒き散らした。呼吸は荒く、足も痙攣してる。グシグシと袖で鼻血を拭く幼女に私は力の限りビンタした。

生きてる。私もこの幼女も。そう感じた。

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