第3話 恋

俺たち5人は高校を出て駅まで向かう。駅の近くにある店の雰囲気のいいフレンチレストランがあるのだ。そこに予約していたのだが人数が増えたためタカちんに人数変更したいという旨の電話をしてもらった。


玉尾「そう言えば君名前なんていうの?」

  

「すみません自己紹介が遅れました、名前は雅といいます。」


そして少し歩いていると店に着いた。白を基調としていて近代的なインテリアを取り入れていてすごく洋なbgmが流れている。

席に案内され僕たちは席についた…のだがしかし、左にユミ 右に雅さんが座って女子に挟まれてしまったのだ。


玉尾「おまえ、流石にそれは俺でも引くぞ…?いくらモテないからってそんな強欲だと嫌われちまうぞ?」


『違う!!!これは不可抗力だ!!』


必死な攻防戦を繰り返したが結果は虚しく、左に玉尾 右にタカちん。

テーブルを迎えに女子軍団という形になってしまった。確かにあれは狙ってしたわけではない。だがこうなると虚しいものだ。

みんな飲み物を決め始め、ユミが「じゃぁあたしカシオレー!」というのに対し玉尾が「いやカシオレとかジュースじゃーん」というテンプレのようなやり取りをして先に盛り上がるバカ2人が誕生した。飲み物を頼み終わるとそれぞれ自己紹介を始めた。


『けいまです。好きなものはゲーム、高校入ったらよろしくお願いします。』


まぁぼちぼちな自己紹介だったろうと自己評価する


玉尾「俺は玉尾!苗字は金野!かねのって言われるけど【きんの】だ!よろしくー」


タカちん「タカですよろしく」


ユミ「ユミですよみんなよろしくねー」


雅「雅です、趣味はギターを弾くことと映画鑑賞です。お願いします。」


人は見た目で判断できないものだ。あの見た目でギターを弾くのを想像するとギャップが凄まじい。


ユミ「これで全員かな?じゃぁたのしみましょー!!あ、はいそれわたしでーす!」


もう頼んだものが来たようだ。一口サイズの餅のようなものが来た。

普通最初からデザートみたいなもんたのむのかとじろじろ餅を見ていたらそれは起こった。


ユミ「なにーそんなじろじろみちゃってー!欲しいなら言いなよー!はい、あーんして、」


「え、いや。あ、でも」


戸惑っていると早くと急かされ気づいたときには口のなかにきな粉の甘味と餅の粘りけが広がっていた。


玉尾「おまえら、そーゆー関係...?」


玉尾とタカちんに変な目で見られた。ちがうと反論するも意味はないようだ。

そこからずっと俺はユミに意識を向けていてまわりのことはなにも見えていなかった。

どうやらタカちんと雅は結構いい雰囲気になっていたらしくしばらく玉尾はひとりぼっち状態になっていたらしい。


打ち上げを始めて4時間ほどだろうか。

そして興も冷め、そろそろお開きな雰囲気になってきた。


タカちん「そろそろかえろっか」


「だね、かえろっか」


帰り道はいつもの三人同じだったのだが、タカちんと雅が一緒に帰るということなので俺は玉尾と二人で帰ることになった。ユミは真反対方向らしいのでここで別れる。


玉尾「なぁなぁ、なんでタカがあんな可愛い子ゲットできたと思う?やっぱりおかしいよなこんな世の中ー...ゆるせねぇよぉ!!!あ、お前のことも忘れてないからな」


まぁまぁとなだめるが歯止めが聞かない、よほど今日は我慢していたのだろう。

そしてなだめているうちに家についていた。


『じゃあなー』


玉尾「おう。」


ふぅ、やっと家だ、なぜだろうか今日は人生で一番疲れた気がする...

帰ってきた俺はただいまを言いお風呂に直行した。

「ふぅ」と勝手に口からため息がまろびでる、湯船に使って休んでいると母さんがノックしてきた。


母「おともだち来てるわよ~!!母さん今手離せないからはやくいきなさいー」


友達?どうしたんだろう、玉尾かな?そうおもって少し急ぎ足で玄関へ向かっていった。

「はいー?」と扉を開けるとそこにいたのはユミだった。


ユミ「あ、けいm、、っっっっっっ」


どうしたのだろうか、まぁいいかと思いどうしたの?と聞くと

「こ、ここっこれ!!」と俺のスマホを渡してくれた。あー!レストランに忘れてきてしまっていたのだ。

ありがとうといおうとすると「じゃ、じゃぁね!」と扉をばたんと閉めて帰ってしまった。

失礼なやつだなと思って風呂場に戻る。ん、?

鏡の前に立つと一目瞭然だった。タオルをしていない!!!?!??!?!

おれはユミの前でフルちんでいたのか...?!すぐにスマホを取ってすまんと連絡をした。

やってしまった。まだ誰にも見せたことのない俺のワンピースが今公の場に姿を露にしてしまった。だが恥ずかしいのもあるがどこか興奮してしまっている自分もいるのも事実。

「好きなのかな」と口から溢れる。

そのままお風呂にはいるが落ち着けずすぐに出て部屋のベッドに潜った。

その日は何がとは言わないが捗った...

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