音楽鑑賞~私はピアノ

小説太郎

第1話

おおよそ人間であるのに自分は楽器であるとは、どういう事なのか?

“ 私はピアノ ” という歌のタイトルを聞いた時、私はそう思わざるを得なかった。

しかし、それ以外の点では、曲も良し、歌詞も良し、歌っている歌手も良しで、申し分のない歌である。

歌手は可愛らしさで定評のあった高田みづえである。

You Tube Musicで見れる動画の中では、高田みづえが歌い始めの所でお客さんから拍手が起こって高田みづえの表情が真顔から笑顔になる動画が特に好きである。

ホント、美しい人はなぜそんなに美しいのだろうと思ってしまう。

この歌も他の多くの感動的な歌と同様、ただ聴くだけでなく自分もロマンチックに歌ってその栄光に浸りたいという実にいじましい精神を人々に喚起させるようで、多くのアマチュアが嬉しくも動画をあげている。

ところで、私は最近、歌をできるだけキーを上げて歌うことにハマっている。

その方がカッコいいからである。

しかし、“ 私はピアノ ” をキーを上げて歌うのは難しい。

どのように難しいかと言うと、例えば1番の歌詞で言えば、“ あなたから目が離せない ” 以降で一段と音程が上がるのであるが、キーを上げすぎて歌ってるとその後の方で出てくるさらに音程が高い “ あの頃が懐かしくて何もかも~ ” の “ も~ ” の所が裏声でもまともに歌えなくなる。だからといって、“ も~ ” の所を通常のキーにしてしまうと、何のために今までキーを上げて歌ってきたのかという感慨が湧き上がる。

したがって、歌唱力のない人は、全体的にキーをできるだけ、即ち、少しだけ上げて歌うのが、“ 私はピアノ ” を最もカッコよく歌う方法だと思う。

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音楽鑑賞~私はピアノ 小説太郎 @shousetutarou

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