第16話 ここで吹っ切っとき
商店街の照明はさっきよりも明るく、ぎらぎらと明るく
その三色だんごのパフェの出ているショーケースの前で。
クリームの下は黒あんらしい。ちょっとおなかいっぱいになりそうな甘味ぶりだ。
三色だんごのパフェの隣は、やっぱり黒あんとはちみつを垂らしたホットケーキだった。
これも、おいしそうだったけど、やっぱりおなかいっぱいになりそう。
いまの朱実がその「おなかいっぱい」を支えきれるかどうかわからない。
「さあ、どないすんの?」
亜緒依がきく。
「うん」
あれだけ歩いただけでは、気もちの整理はつかなかった。
「あんまり食べたぁない」
朱実が正直に言う。
「こういうときは食べたほうがええよ」
不機嫌そうに、命令するように亜緒依が言う。
「家帰って、またあれこれ考えても解決のつかへんことを考えて悩むんやろ? それやったらここで吹っ切っとき」
「悩む……んやろうなぁ」
こんなことになったんも亜緒依のせいよ――と言おうとして朱実は思いとどまる。
でも、今度は、違う。
ひな
だから亜緒依をとがめるわけにはいかない。
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