第9話 work until the day
後日彼が私に手紙でお食事の日程を聞きにきた。私は10月頭はどうかと答えた。
彼はまた手紙を送ってきた。いいですねと書いてあった。
それだけで終わらず彼と私で文通が始まった。文通と言っても距離はすごく近いし二人とも郵便切手を貼らないで相手のポストにいれてるノ。
私は文通が好きだ。スパイをやってるせいかもしれない。
なんでかわからないけどなんか地の文を見ると落ち着くんでス。
まあ結局、彼の文体が仰々しいので私のラインのQRコードを貼り付けた手紙を送って繋がせたんですガ。(私は彼にかっこいいと言ってもらえるように、アイコンを餃子、背景を昔行って撮ったグランドキャニオン、ラインミュージックは私の知ってる大好きな曲:天体観測に設定したのに彼のプロフィールが完全に初期設定になっていたのを見た時はホントにイライラしましタ。)
ゴミ出しの日に彼とたまたま鉢合わせても全くもってしゃべりませんでしタ。人間、少しでも日が開くと話しかけづらくなるんでス。そして手紙で話していた分尚更…
ある日いつものようにポストに彼の手紙が入っていないか確認すると真っ青な封筒を見つけました。開けてみると本部からの手紙が入っていました。
私は内心"私を宇都宮に飛ばせる程バカなのになんでこういう事は出来るのかしラ”と笑ってしまいましタ。
中身はこんな感じでス。
「Dear Ms.Honey,日本では元気してますか?デイヴィッドです。米日会談の日程が決まりました。来年の7月です。残り約10ヶ月全力で任務にあたってください。日本の弱点を見つけ出しその弱みを使って外交をするためにはあなたのcooperationが必要です。それと日本のオススメスポットを教えてください。今度行ってみたいんです。
good luck! Ilove you! David」
hahaha...lolやっぱりデイビッドは面白いでス。後でワッツアップで答えよっト♡
残り10ヶ月かぁ~何が起こるかまったくわかりませン。でも一つ一つ着実に成果をあげることが大事でス。先ずは何をしましょうカ…
とりあえず私は日本の自動車メーカーを調査することにしました。日本ではアメリカ車が売れません。政府はそこに不満を抱いているんでス。
私は早速、会社が導入しているフレックスタイム制を使って会社を早い時間で出社して夜間はその自動車会社の内部に慣れた手つきで侵入、資料を見漁ったのでしタ。
初潜入から一週間、ようやく秘密をつかみましタ。とある自動車メーカーの今発売されているモデルの排気ガス排出量が一般に公開されている数値より大幅にoverしている実験結果を見つけたのでス!その書類のコピーを二部刷って、一つは本部に転送するように、もう一部は名前が難しい出版社さんにあげましタ♪
約二週間連続で働き続けた私の体にはいつもの坂がきつ過ぎましたが、やっぱり終わったんだ!という解放感が勝っていました。
今日位たくさんビール飲んでもいいよね?なんか肌が少し荒れてしまってる気がしまス。
久しぶりにパジャマでゆったりして最高でス。最近は疲れすぎてスーツのままで寝てしまう日もあったくらいなのでlol
そういえば部屋に入る前、806の部屋の明かりがなかった気がしまス。彼のことはよくわかりませんが、多分吞み会で忙しいんでしょう、新人だし。
つながった彼のラインは最近一切動いていません。
お食事会楽しみだなァ。
(この物語では、虚実な団体、特定の国の名前をお借し一部、信憑性が極めて低い内容を書いていますが、全て物語を楽しむ上でのフィクションですので安心してお楽しみ下さい)
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