第2話 Introduction

 コンコンコン…

 ドアを叩く音がした。

 オートロックのマンションなんだから宅配とかでもなさそうですネ…!もしかして、アメリカにいる友達との長電話がうるさくて近所迷惑とカァ~もーどうしヨー…そういえば最近お隣さんが引っ越して来たんだっけ、ますますあり得るジャ~ン、ハァ…

 私は半ば怒られることを覚悟しながらドアスコープを覗き込んだ。すらっとした男性なのはわかったが、暗くて顔が見えない。でもたぶん起こった顔してんだろナ。

 よし、もう割り切ってこういうのはfirst impressionが大事ですヨ、と自分に言い聞かせる。…開けますヨ!


 ガチャ…

「Hallo~♪」


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 私の名前はケイラー・ジュディー(CN:ハニー)。25歳。オランダ系移民の子孫のアメリカ人女性でス。身長は170㎝。体重は秘密。スリーサイズは…いうわけないじゃないですカ~♡でも自分の体型には自信があって、ボンキュッボンなパツ金お姉さんですヨ(日本人男性悩殺)♡


 頭が良かったのでスタンフォード大学を無事卒業しましタ。もともと日本に興味があったので、アニメやドラマを見たり、日本語の本を読んだりして、日本語を独学で習得して二年前に日本語検定一級をとりましたヨ♪でもその時はまだ一回も日本に行ったことがなかったんでス。


 大学にいたある日、大学の男友達のデイビッドに

「スパイにならないか」とだけ言われました。

 彼とは昔少しの間datingをしてうまくいかずただの友達関係になってしまったのですガ、とてもfunnyな人だとわかっていたし頭も良くて私にレジュメを作ってくれたり、テストの予想が当たったり、大学生なのにITの企業を友達と立ち上げたりしてたので彼のことだからとんでもない策略があるんだろうと思い、私も

「Yes!」とだけ答えましタ。


 大学卒業後デイビッドはアメリカ外務省の情報系部門に勤め、私はその傘下の極秘部署:国際スパイ日本担当として働くことになりましタ。


 日本との外交を有利に進めるためという重大な任務を背負い私が派遣された場所はなんと"宇都宮"でしタ。アメリカ人は土地感覚が全くないので、アメリカよりずっとtinyな日本ではますますわからないのでス。なので私を含め本部は宇都宮は東京の一部だと思っていたのでスlol.

 どうやってこんな田舎で情報を集めればいいのでしょう、いや無理難題でス。お隣のGunma pref.のように"未開のジャングル”だの"グンマー帝国”だの田舎っぷりを罵られるほうがまだいいでス。北関東で唯一脚光を浴びない中途半端に地味な栃木の気持ちを考えてくださイ!(筆者は以前1年間だけ宇都宮に住んでいたことがあるのですが、まじでなんもなかったのでボロクソに書いてます)

 この一年で得た情報は、私が好きな映画「るろうに剣心」の撮影場に使われた「若竹の森」というきれいな竹林があることと、ご老人が優しいことと、餃子がおいしいということだけでス。餃子はmy favoriteになりましタ。


 流石に本部も反省して今後は私をYokohamaに派遣させてくれましタ。3ヶ月前にこのグランドビューヒルズ805号室に引越して東京の外資系企業で働いていまス。


 そしてドアを開けると目の前にいたのはmy favoriteな餃子とmy favorite typeのJapanese cool boyでしタ。



(この物語では、虚実な団体、特定の国の名前をお借し一部、信憑性が極めて低い内容を書いていますが、全て物語を楽しむ上でのフィクションですので安心してお楽しみ下さい)

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