スパイの俺のお隣さんは俺の恋人で敵国のスパイ⁈
よらんじゅ
純粋な恋編
第1話 自己紹介
(やっべぇ…いくら新築マンション引っ越し記念パーティーとして餃子50個奮発して作ったとて俺一人しかいないし、絶対残るのはわっかってたな…そうだ、お隣さんに挨拶もかねて持っていこう)
俺はお隣さんのドアを丁重にノックした。ガサゴソと物音を感じる。緊張するな、こういうのは第一印象ですべて決まるんだ、と自分に言い聞かせる。
ガチャ…
「Hallo~♪」
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俺の名前は
うちの一家のご先祖様は戦前満洲に住んでいたらしく、そのせいで一家全員中国語話者なのだ。
俺の場合は英語がめちゃくちゃ出来ず、やむを得ず学校に受験は英語ではなく中国語でいきたいと伝えたところ県有数の進学校だったので快く受け入れてもらい英語の授業中は中国語の内職をすることができたのだった。大学受験では外国語の枠を中国語にして一橋大学経営学部に合格。
大学入学後は、そんな奴いるのか、とそこそこ話題になり、彼女もできて楽しい大学生活だった。(2年間)
転機は大学三年生の時、小中高そして大学と打ち込んだ陸上から足を洗ったのだ。陸上サークルからアジア文化研究会というサークルに転部した。部員の半分が社会人、多浪生で怪しいセミナーみたいと巷では有名で周りからの疑問を持たれた。俺がサークルにのめってしまうにつれて、煙たがられて友達も消えてしまった。彼女も別の男を作っていた。
まあいいさ、あいつらは特別でかっこいい俺という偶像の傍にいる自分に酔っているのさ。誰も自分の中身を見てくれやしない。カッコつけてるわけではなく本気で思っていた。
自分には捨て身で本性をさらけ出せる環境が必要だと思った。異国の地とかね、そうじゃん中国だ!
いつしか自分には中国しかない、と思い続けるようになった。
そして中国をもっと学びたいと思い、中国の大学のプログラムに参加、無事審査が通り浙江大学経営学院に留学した。
初めは国も違い大学にうまくなじめなかったが、中国人の友達もできて段々と順調になってきたある日突然…
その日の夜、大学の定期試験が終わり、中国人の友達と杭州市で一番おいしい(友達が言ってた)日本で言う居酒屋で宴会を開いてビールを浴びるように飲んで羽目を外していた。
家の方面がそれぞれ違うからとバラバラに解散し、千鳥足になりながら一人家路についていた時、黒マスクにサングラス、黒い帽子を深く被った如何にも怪しい男三人組が俺を捉え暗い路地裏に連れ込んだのだ。
二人の屈強な男に完全に取り押さえられた俺は死をも覚悟したが、リーダーと思われる小柄で目の細い男が2千万元(日本円:4億円)を差し出してきたのだった。
「お前は日本人だと聞いている。しかも頭がいいそうだな。2千万元やるから中国のスパイとして働け。我々当局は一路一帯を達成するため日本を傀儡国家にしたいと思っている。お前が日本で情報を集め外交などで中国が有利に働くよう協力しろ。」
しまった。当局の下っ端だったのか。下手に断ると今後がないかもしれないしな…
2chの書き込みにありそうな5億円ボタンの話がこうして現実になるとは…あれは妄想だから楽しいんじゃんか…待てよ、今の低賃金で悪循環な日本では大企業勤めのサラリーマンでも生涯で4億も貯まらないじゃないか?そう思うと悪い話じゃないかもな。今思うと大学時代は相当病んでいたかもしれない。俺は熟考の末、
「喜んでお受け取りします。」と言ってしまった。
そして現在は横浜にある貿易系の上流企業に勤め、みなとみらい近郊の新築マンション(タワマンではない):グランドビューヒルズの806に住んでいる。
そして805のお隣さんはまさかの恵体金髪美女だったのだ…!
(この物語では、虚実な団体、特定の国の名前をお借し一部、信憑性が極めて低い内容を書いていますが、全て物語を楽しむ上でのフィクションですので安心してお楽しみ下さい)
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