第2話 児童虐待する親への鉄槌①
「外道ただで済むと思うなよ」
椅子に腰掛け、両足を組みそう言い放つ神楽坂。
「勘違いしないでよ!あれは躾よ!」
―そうこの女は実の娘を虐待したのだった。あれは夜、私が歩いている時だった。すすり泣く小さな女の子の声が聞こえた。木に隠れていてここの通り道からでは見ずらい位置だ。私は気になってその女の子の泣く声のほうに近寄った。
わずかな隙間から見える女の子の姿は、ベランダにいて首には1m足らずの錆びた鎖で繋がれており、手足には痣が数カ所できていた。特に大声を出す素振りもなく無言の女の子。相当母親に厳しく言いつけられたな。
これは間違いない虐待だ。私はそう思いしばらくその場の様子を見ていた。すると母親らしき人物が帰ってきた。しかもずいぶんと酔っぱらっている様子だ。
そして窓を開け母親は子供に言い放つ。
「なんで生まれてきたわけ? 邪魔、消えろ」
母親は窓を閉め、鍵をかける。どうすりゃ子供にこんな言い方ができる?さてどうしたものか、こういう外道はいつもなら即締め上げるのだが、今回は子供がいる。
出来ればいくら外道とは言え、母親を子供の目の前で締め上げるのは子供の心に深い傷がつく。
そこで私は助手の
もともと人に好かれやすい唯は、今回のように相手が子供なら唯に任せるのが一番良い方法であると私は考えたのだった。そして今、家は静かだ。泥酔して寝ている可能性がある。私の合図で唯は動き、ベランダに
「お姉さん誰?」
女の子は不安な顔して唯に言う。
「しっ、今まで痛かったでしょう?助けてあげる」
服はボロボロ、手をみると傷の数も無数にあり、タバコで押し当てた火傷のようなものもある。背中にもその傷はある。そして唯は辺りの様子を見ている。
母親は寝ている様子だった。
女の子を傷を見るからに、普通なら悲鳴で誰かが気づき警察に通報されてこの母親も逮捕のはずが、おそらく一切の声を我慢した女の子は誰にも気づかれてない。
よほど母親に躾られたのであろう。
女の子は唯がいる方向に抱えこむと、静かに梯子を降りる。
「もう大丈夫よ」
「ありがとうお姉さんでもお母さんに・・・」
「大丈夫まずはお姉さんのところに一緒に来て」
唯は女の子を誘導してひとまず保護する形を取った。
唯が私に目を合せると私は家に侵入し、唯は子供の手を繋ぎ私と別行動をし、泥酔して寝ている母親の首を絞め上げ気絶させた。
その後は車のトランクの中に押し込み地下室に連れて行った。鉄の扉を開けて閉めるともう外道の声は外に漏れることはない。
ー続くー
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