第4話 『魔女と魔法少女』 (百合のきっかけ)
(クロネ・アール視点)
(ここ、は?)
私は白い空間の中に一人、立っていた。
すると、私の目の前で黒い風がまるで台風のようなデカさで渦巻いていく。
そして、私は『それ』に飲み込まれるのであった。
ガタッ
「っ!?」
あたりの見渡す。………どうやら私は夢を見ていたようだ。
(ここは、どこ?なんで私は私が知らない部屋にいるの?)
記憶がこんがらがる。なんとか思い出そうと
必死に絞り出そうとした時だった。
「お、起きたピヨ!体は大丈夫ピヨ?痛いところは無いピヨ?」
私が起きたことに反応して心配そうにこちらを見るぷよよが声を上げた。
「ぷよよ!体の方は大丈夫だよ!でも………ここはどこなの?」
だんだんと、記憶が戻ってきた。私は自分の体を触り、問題がないことを教えながら質問する。すると、ぷよよは凄く顔をしかめて、
「今ここにいる家は魔女の家ピヨ、認めたくないピヨけど、
クロネが助かったのは魔女のおかげピヨ。」
「………………………………………………………………は?」
この子は何を言っているんだ?魔女?………………あのぉ!??
いやいやいや、現実的に考えてよ。魔女は魔法少女を見ると狂犬のように
襲ってくるって言われてるんだよ?っとそんな現実逃避をしていると、
「おっ?起きたのかい?」
そんなことを言う女性が部屋に入ってきた。
「えっと…………どちら様ですか?」
「あっ…そういえば自己紹介してなかったね。僕の名前は優、天沢 優。
そしてその他の呼び名が…………『悲壮の魔女』って、呼ばれてる。よろしくね!」
私はそれを聞いてすぐに立ち上がり、机に置いてあった剣をとり、戦闘態勢に
入ろうとしたが、
グラ
私の体がふらつき、そのまま頭めがけて床に____________________________________
「おっと!」
落ちなかった。悲壮の魔女が私の体を支えてくれたのだ。
「僕を倒そうという意気込みはいいけど君は3日も寝てた病人さんなんだから、
いきなり動いたらダメですよ」
そんなことを言いながら私の体をベッドに戻していく。でも、私はそんなことよりも
一つ、聞きたいことがあった。
「な、なんで……私を助けたの?」
「なんでって言われても……」
「ぷよも聞きたいピヨ、なんでお前は魔法少女を助けるピヨ?」
どうやらぷよよも知らないらしい。
「…あなた達が欲しい答えは、僕を真に信頼できるような、そんな答えですか?」
私たちはこくりと頷く。すると彼女は考え込む。
しばらくすると彼女はしゃべり始めた。
「例えば、僕たちは欲求により山を燃やし、そこに住んでいた熊さんの縄張りを消し、そのせいで僕たちの町に熊さんたちが現れ、人々を傷つけていったとしましょう。この問題に対して、貴方は熊さんが悪いと思いますか?」
「……それは、熊さんの縄張り消した私たちだよ!」
「では、その「僕たち」を『魔女』に、「熊さん」を『魔法少女』に変えて見てください。」
私は、その言葉で はっ と息を呑んだ。
「人間は最終的に新たに、それがたとえ人工的でも、熊さんの縄張りを作ります。
それは、少しでも相手に悪いと思っているからです。ですので、僕が貴方達を助けるのは、
少しでも魔女が人々を傷つけたことへの償いです。例え、自分がやっていなくも、魔法少女に殺されようと、僕は傷ついた人を助ける、ただそれだけです。」
「「……………………………。」」
空いた口が塞がらない。彼女はもしかして、
魔法少女より魔法少女なのでは無いだろうか。そんな考えが頭をよぎる。
「じゃ、じゃあ!なんで貴方は魔女をやっているの!?」
私は、そこまで人のことを考えられる人が一体何故魔女になってしまったのか。それを
知りたくなってしまった。
「魔女と言うものは、魔法少女が、魔法少女を、誰か一人でも恨むことで生まれます。今いる魔女は、魔法少女全体を憎むのでいるのですが、僕の場合は、特定の一人を憎んでいるので、貴方達には危害を加えないと言うことです。」
そんな特大情報を、平然と言い張る魔女。
(ちょっと待って!?魔女は元々魔法少女で
魔法少女を憎むことで魔女になるの!?そんな話、魔法省から一言も言われてないし、
聞いたことすらないのだけど!?)
でも、この話が本当なら色々と辻褄が合ってしまう。『断罪の魔女』とした会話や、
野獣が人々を襲うより魔法少女を襲うこと。
それら全てが噛み合ってしまい_________。
「うぇ………ん」
私は泣き出してしまった。今まで魔女は、化け物で、人々を苦しめるだけの存在だと思っていたから。
「ど、どうしたピヨ!?」
ぷよよが慌てて私に声をかける。
「う、ううん、魔女が、今までしてきたことは、魔女にとって、辛い理由があって、
私は、相手のこと…何も知らないのに、
自分勝手に平和を語っていて、私がしていたことは、真に平和な世界を、作ることに、無駄だったって、気づいただけだよ……。
…今までは、魔女がしてきたことが許せなくて、みんなを笑顔にするために野獣や魔女と
戦ったけど、私の「みんな」には、私たち、魔法少女は含んで、同じ魔法少女であった、魔女を含んでいなかった。そんな私が、平和を語ることなんて__________。」
ギュッ
「っ!?」
見れば、魔女が、いや、優さんが
私に抱きついて、お互いが抱きつくような形になる。そして、彼女は必死な顔をしながら、
「貴方が今までしてきたことは無駄だったなんて……そんなことはありません!僕は貴方がしてきたことは知らないけど、みんなを平和にするために頑張ってきたってことは、今の貴方の涙を見ればわかります!そんな貴方の事を馬鹿にするような人がいれば、僕が許しません。コテンパンにしてやります!…だから…自分がしてきた事を無駄なんて言わないでください!」
とそんな甘い言葉を言う彼女に、私は、
「……ねぇ、私はまだ、みんなを幸せにする夢を、目指して、いいのかなぁ?」
「当たり前です、敵でありながら、それでも、誰かの為に自分の命をかけ、強い意志を持っている貴方の夢は、他の誰にも否定させません!」
「…っ〜!!」
彼女の言葉に甘え、彼女の胸に、より一層、強く抱きついたのであった。
_________________________________________
__あれからすこし時間が経ち、ゆっくりと
私は、彼女の胸から顔を離した。
「もう、大丈夫ですか?」
私の涙によってグシャグシャになった服を
着た、優さんが私に質問する。
「うん。もう平気!ごめんね!服、私のせいで汚れちゃったでしょ?」
「大丈夫です。貴方がもう一度、笑ってくれる
ようになった証であるこの服は、貴方が思っているより偉大なものなんですよ?」
そんな冗談を言いながら笑って答える彼女の
笑顔に
トクン、と私の心臓が跳ねた。
_________________________________________
うーん、出かけていて十分に時間が無く、
流れで書いてきたので、表現とか色々間違ってるかも?
次回 第5話 『百合2』
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