茉莉花のおまけ色。 【四つ巴じゃ駄目?】

 SNSで出会って親交を深めてた愛ちゃんが、同じ年齢だった。同じ県だった。同じ学校の同じクラスだった。しかも――颯汰達の幼馴染だった。

「あ!お弁当忘れた!最悪〜……」

「しゃーねーな〜タコさんウインナーをくれてやろう!」

「青葉、神!……颯汰さんは何もくれないんすね……」

「……お前にくれてやる残飯はない」

「なんですって!?」

 昨日愛ちゃんが学校生活に戻ってきてから、私がいたはずの颯汰の隣は、愛ちゃんが独占していた。

「愛ちゃん落ち着いて!唐揚げと卵焼きあげるよ~?」

「癒しだこの子は……!」

 四つの机を並べて、皆でお昼ごはんを囲む。それだけで幸せなのに……幸せなんだけど……少し、ほんの少しだけ、感じてしまう、疎外感。つい、お箸を持つ手が止まってしまう。

 仕方ないよね。三人は幼馴染。あたしは、途中から入ってきただけだしね。うん。


「ほら、やるよ、デザート。いらないなら、いいけど」

「……え」

 颯汰が、私の目の前に苺の入ったタッパーを差し出していた。ぼーっとしてて、気がつかなかった。

「あ……いる!食べたい!ありがと!」

 愛ちゃんにはおかずさえあげようとしなかったのに。驚きと、ほんの少し、颯汰があたしを特別扱いしてくれた嬉しさを隠せなかった。

「今度、四人で遊ばない?」

「お、いいんじゃね?どこ行く?」

「勝手に進めるなよ……」

 四人で……か。うん、凄い、いい響き!

 颯汰がくれた苺を頬張る。口の中で、果汁が溢れる。――甘酸っぱい。


「うん!あたしも行きたいな!四人で!」

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男兄弟にうんざりしてた俺、美少女転校生とキョーダイ同盟を契る 萩野 郁 @iku_hagino

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