面倒くさいのは内海さんだけで十分

猛くん

第0話 始まりの予兆?

 「そして今日の最下位の人は、おうし座のあなたで~す。何故か因縁をつけられる一日になるでしょう」

 「あははっ。兄貴ったら最下位じゃん」

 「朝からうるさいなあ、お前……」


 何故俺は朝から弟にあおられているのだろうか?

 いや、理由はもう言っているようなものか。

 あと、あなたで~すじゃねえよ。それが占いで最下位だった人達に対する態度かよ。

 

 「まあ、気にする必要ないでしょ。所詮占いだよ」

 「今日の占いが1位でうっきうきになってた人に言われてもなあ……」


 何というか物凄く説得力に欠ける。行動と言動が一致していない。

 てかこいつ、昨日も2位じゃなかったっけ?どんな強運の持ち主だよ。その運気を少しぐらい分けてほしいものだ……


 「ごちそうさま~。じゃ兄貴、朝練行ってくるね~」

 「いってら~」


 と言い残し、弟は食器を片付けずに家を飛び出していった。

 ……いや洗ってから行けよ。今日は両親とも朝早くから仕事だっていうのに。それぐらいしてやってもいいじゃんか。まあ洗うけどさ。

 それにしても今日の運勢は最下位か……

 占いって何故か悪いことだけあたること多いからなあ……

 しかもその内容が、”何故か因縁をつけられる”とか意味不明だしこれじゃあ回避のしようが無くね?学校でも休んでずっと家にいればいいんか?

 でもこればかりはしょうがないのかも知れない。さすがにこんな理由で学校を休むわけにはいかない。覚悟を決めるしかないか……

 そう心に誓い、俺は食器を洗い始めた。

 

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