第56話
一週間経って、退院することになった。まぁ怪我は呪術で治したからな。やっぱり心臓付近はまだ痛むが。ちなみにテストは病室でやったんだが、やっぱり周りに人がいない方が集中できたのといつもより暇で勉強した成果がでたのか、いつもより平均点が十点ぐらい上がっていた。やっぱり時には一人も悪くない。そして買える準備をしている、服とかは奏が親を呼んで持っていってもらった。まぁだから少しの参考書と本と財布だけといった感じである。なんか今日退院パーティーをやってくれるらしいな。まぁこんな早く退院すると思っていたのは奏くらいで、準備し始めるのが早いのも奏ぐらいだ。
そんなことを考えていると、病室がノックされた。
「どうぞー」
「一豊くん来たよ~」
「おうよく来たな。ちょうど帰る準備を終えたところだ」
「それなら奏ちゃんも下いるし、早く行こ~」
「そうだなあまり待たせるのもあれだし」
俺は素早く鞄を持って、日向と一緒にでた。すると奏が患者にナンパをされそうになっていたので、すぐに間に入った。すると患者はちっと舌打ちをして去っていった。ありゃ怪我で入院とかそいうパターンぽいな。
俺達は病院をでて、久しぶりのラーメンを食べに行くことになった。ラーメンは千葉の雷である。辛いのが食べたかったから、ここをチョイスした。旨辛みたいな感じでいいんだよな。今は駅に向かっている。
「一豊くん夏の大会に間に合うの?」
「ギリギリだが、なんとかな。この世代は強いから、甲子園を目指せる最後の代になるかもしれないから、ベンチ入りは何とかしたいから、多少無茶をしても間に合うようにする」
甲子園で登板したいからな。夏の大会にでることは俺の憧れでもある。それだけ特別なのだ。そして甲子園にでることはもっと特別だ。だからなんとしてでもでたい。打から復帰しても、力が衰えてないことも証明しないとな。
「あ、そうだ私野球部にマネージャーとして入るから」
弓道部やめるのか。まぁ元々和希に近づくために入っただけだからな。振られたなら、いる意味はないだろうから、転部するのは可笑しくない。野球部の連中も喜ぶことだろう。学年トップの美少女が入部するんだから。イケメンもいるし、取られないようにしないとな。まぁ日向の好みはイケメンではないから、顔だけで人を選ばないと思うが、警戒するに越したことはない。
「そうか、それなら俺達野球部を支えてくれ」
「うん、全力で野球部が甲子園に行けように支えるよ~」
これで俺が万全の状態になれば、大会で投げてる姿を日向に見せることができる。そうすればもっと好かれるかもしれない。そして夢中になってくれれば最高だな。
「それなら気合いをいれて、リハビリに力をいれるか。一週間でリハビリを終わらす」
怪我自体は治っているからな。臓器も痛み止も飲めばなんとかなるだろう。最初は軽く走るだけだから、問題ないだろう。お医者さんから許可がでたら、投げることも再開する。なんとしてでも夏の大会前には間に合わせてみせる。
「あまり無茶はしないでね~。一豊くんが倒れたら、私気が動転しちゃうからね~」
「分かってるよ。どうやら駅に着いたみたいだな」
「お兄様すごい視線を集めているわね。特に高校生からの嫉妬の視線が凄まじいわ」
「美少女二人も普通の男が連れてるからだろ。リア充とで思っているんじゃないか?」
俺だったら、リア充砕け散れよと思うから、にたようなことを思っているんだろう。和希もこんな視線を受け続けてきたんだろう。あいつも何人もの美少女を侍らせて、どっか行ったりしてたからな。まぁあいつは鈍感だから、気づいていないだろうが。
「いつもより視線が多いのは、日向さんも一緒にいるからなのね」
前からこの二人が一緒にいることは少なかったからな。嫌ってはないと思うんだが。まぁ学校も違うし、可笑しくはないが。
俺達は電車に乗り、千葉駅に向かった。その間野球部の情報を日向に話していたりした。距離感や技術を向上させるにはどうやったらできるかを模索するためだろう。
そして千葉駅に着くと、俺は久しぶりの店のラーメンにワクワクした。カップラーメンじゃ満足はできなかったからな。
改札をでると、日向は久しぶりの千葉に目を細めていた。それにしても相変わらず、千葉駅周辺は美少女が多い。田舎から、おしゃれに敏感な人が集まるからだろうな。千葉駅には千葉の下からでもお金はかかるが、アクセスはいいからな。下の方までJRは走っているし。俺達は早速ラーメン屋に向かった。
「雷では久しぶりに食べるから、楽しみだなぁ~。あの辛いラーメンは美味しさも追求していて最高だからな~」
「辛いだけだと、体に悪いなと感じてしまうからな。旨辛がやっぱちょうどいいよな」
「お兄様の意見には納得だわ。どうしても辛いだけだと、胃が気になってしまうのよね」
旨辛も異にダメージはあるんだろうが、それを気にせず旨辛は食べれる。それだけ違うんだよな。辛いラーメンほど胃に負担があるのに気にならないで、食べれる料理はないからな。
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