第55話

そして二時間くらい勉強をやって、俺達は一休憩入れることにした。それで勉強に疲れた頭に糖分を補給するためカフェオレ飲んで、チョコレートを食べた。マッカンはさすがに飲みすぎることはできないからな。勉強が全部し終わったら飲もうと思う。そして休憩がてら、俺達は会話をすることにした。内容は勉強の進み具合とか部活のことだ。


「それで、数学はかなり難易度が上がってるのか」


「友達のほとんどが難しいって言って解けてないよ。あのレベルは難関国公立大学の数学のレベルだよ」


進学実績をあげるためにあえて難しい問題を定期テストで出しているのか。そのくらいのレベルを解けるようにさせて、難関国公立大学にいれようとしてるんだろうな。そんなことしたいなら、中高一貫で教師やれよと思う。うちの学校は自由な校風を売りにしてるからな。そんな自称進学校みたいなことはやらなくてもいいのだ。


「それでも日向は解けているんだよな」  


「一応ね。数学は高校生レベルは終わらせたし」


東大に行くなら、これくらい解けなきゃダメだとか先生に言われそうだし頑張ってみるか。そして解いてみるが、まったくわけが分からなかった。やっぱり定期テストに難関大学レベルの問題をだすのは間違っている。しかも論述式というおまけ付き。これ採点が難しくだけだろ。


「ここでつまづいたんだね。ここはこの公式をいれてやると解けるよ」


するとあっという間にこの問題を解けた。頭いいだけじゃなくて、この問題を解く方法を解説できるのがすごいわ。普通頭いい人って何個も飛ばして教えるからな。頭いい人に教えるならそれでいいんだろうけど。俺みたいな数学が大の苦手みたいなやつには1から説明してほしい。すると日向はある参考書を取り出した。白チャートか、これは初学者にちょうどいい難易度の参考書だな。


「一豊くんはこれからやった方がいいよ」


「それって短期間で終わるか?」


「テスト範囲は広くないから、基礎的な部分だけやるから、終わるよ。そのあと応用をやる感じでね」


まずは基礎からやって応用に挑むって感じか。これなら、高得点は無理でも40点以上は取れるだろう。日本史と違って数学は積み重ねが重要だからな。


「分かったそうしよう」


「それじゃまずこの問題を解いてみて」


これなら分かるな。本当に今始める人用に作ってあるんだな。だがこれさえ出きれば基礎的内容はどうにかなるだろう。それにこれを組み合わせたものが、テストに出てくるからな。これさえできれば部分点を取れるな。


それから白チャートの問題をやったら、侮れなかった。そこそこの難易度の問題がちらほらでてきていた。しかもギリギリ解ける範囲で、作ってる方はうまいよな。このレベルでも解けるギリギリの範囲の問題をだしてくるんだから。分からないところは日向に聞いたりして、問題を解いていったら、あっという間に二時間経っていた。まさか俺が数学でここまで集中できるとは。問題が分かれば、ここまで集中できるもんなんだな。


「それじゃ面会時間終わりだし私達は帰るね」


「もうそんな時間か、あ、そうだ日向と奏にこれをあげるわ」 


俺はそう言って式符を渡した。


「これは?」


「お兄様これは式神よね」


「そうだ、この先何が起こるか分からないからな。式神を持っていれば危険度は下がると思ってな作ったんだよ。その辺の陰陽師なら、倒せるはずだ。もちろん強盗もな。最近魔術師もちらほら現れているようだし」


義弘が遭遇したと連絡が入ったからな。どうも魔術師は俺たち陰陽師を消して、政治の中枢に入りたいらしい。本家が調べたらそいう情報がでてきらしいが。そう考えると相当数の魔術師が今の日本に潜入してるってことだ。完全に陰陽師弱らせるなら、それくらいしないといけないからな。


「ありがとね。それじゃ私達は帰るね~」


「それじゃ明日ねお兄様」 

 

「ああ、じゃあな」


そう言うと、日向達は帰っていった。暇になったな。数学をせっかく教えてもらったし、復習でもするか。俺は日向に解説を書いてもらったノートを取り出して、それを最初は見ないで解いた。


そして一時間ぐらい数学の勉強をした。高校受験以来だな、数学こんなに勉強したの。お陰で今、糖分をかなりほっしている。俺はマッカンのプルタブを開けて、飲み始めた。クゥー甘さが染み渡る。疲れたあとのマッカンは最高だぜ。それにしてもこの解説分かりやすすぎだな。学年トップクラスの成績に教え方もうまいんだから、相当だよな。中学のときは簡単だったから、教えてもらうことはなかったが。だが苦手な科目を教えてもらって、こんなに教え方がうまいとは思わなかった。


コンコン


「どうぞー」


「失礼するね。夜ごはん持ってきたよ」


「ありがとうございます」


今日は焼き魚と漬け物と麻婆茄子か、結構美味しそうだな。


「それじゃ勉強頑張ってね。私は仕事に戻るね」


そう言って、看護婦さんは仕事に戻った。俺はいただきますと言って、食べ始めた。麻婆茄子はほどよい辛さが染み渡って美味しい。病院食で満足する日が来るとはな。



















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