第50話

プリクラにはズッ友もだよと書いてあって、ハグのプリクラには好きだよと書いてあった。まぁ幼馴染みとしてだろうが、それでも好きだよって書かれていて思わずにやにやしちゃいそうになる。いつか愛してるよと言われたいものだ。プリクラの前にいるとカップルの男の方から羨ましそうにこっちを見ているのが分かる。あ、彼女に蹴られた。そして日向を睨み付けていた。嫉妬するのは勝手だが、日向を敵視するのは違うだろうが。


「それじゃ行くか。CDでも見に行こうぜ」


「うんそうだね」


ゲーセンをでるときたくさんの視線を感じたが、ナンパはしてこないだろうと踏んで、特になにかアクションは起こさなかった。そしてCDショップに着くと、俺達は入った。


「それで誰のCDを買うの?」


「櫻坂のだ。最新作がでたからな。日向も買うか?今なら俺が出すぞ」


「それなら買おうかな」


日向も買うことが決まり、俺達はエレベータで乗って櫻坂のCDがある場所を目指した。最新作なだけあって、店の中で音楽が流れている。やっぱstartoverはいいな。今後悔してるなら今から頑張ればいいというメッセージせいがあっていい。逃げるな立ち向かえ人を下に見ててもお前も変わらないだろうというところもいい。俺の気持ちを奮い立たせてくれる。


俺達は櫻坂のCDショップのコーナに着いた。やはり最新作なだけあって、一角にたくさん置いてある。それでも結構な人が買っているのが分かるほど減っている。やっぱり櫻坂は人気あるんだな。


「結構減ってるね。やっぱり秋葉だからオタクが多いのかな?」


「それもあるな。まぁ人気があるからどこもそれなりに減っているとは思うが。アイドルオタクって一人で何枚も買うし」


「え?そうなの同じやつでも?やっぱ売り上げに貢献したいっていうのがあるの?」


「それもあるが、単に生写真をコンプリートするために買っているっていうのもある。CD一枚につき生写真一枚しか入ってないからな。そうなる相当買うことになるからな」


俺はABCDを二枚づつ手にとって、会計をしに行く。列に並んでいる間いかに櫻坂の曲がいいかを日向に暑く語っていた。日向はドン引いたりしないで俺の話を時々質問をしながら聞いていた。


「へぇーてことは櫻坂は曲もいいけど、ダンスが一番主な魅力を秘めているグループなんだね」


「そうだな、それは欅坂46の時から変わらない。今は絶対的なセンターいないから全盛期の頃に比べれば落ちたかもしれないが、二期生がセンターをやってまた盛り返してきたな。特にるんの背が低いながらもダイナミックなダンスは見るものを圧倒する」


あの小柄からあれほど存在感を出すダンスは才能だろう。その他にも天という存在も入ってきたし、櫻坂はここから上昇気流に入っていくだろう。それだけ魅力的な女子が多い。地域でもトップクラスの可愛さのやつが入ってきてるしな。


「そうなんだね。そこまで思われているるんちゃんに嫉妬しちゃうなぁー。まぁアイドルだから恋愛に発展しないだろうから推してもいいけど」


恋愛で好きになるのは日向だけだ。アイドル級の可愛さに芯が強く、優しく、ヤンデレなところが最高に可愛い。これほどの幼馴染みそうそういないだろう。


「動くな!」


そう男が言うと、銃声が響く。日向は恐怖に怯えた表情をしている。だが日向は携帯を持っていたので、警察に連絡をしようとしている。それを気づいた男は銃を日向に向ける。不味いこのままだと日向が打たれる!俺は咄嗟に日向の正面にたった瞬間銃声が響き、俺の心臓付近から血飛沫が飛ぶ。


「ぐっ日向大丈夫か?」


「一豊くん血が血が!」


「俺は大丈夫だ。今からあいつをどうにかするから警察に連絡をいれててくれ」


俺はそう言うと加速術式を使い。男の懐に入って、銃を競り落とした。痛みにもだく男の鳩尾に霊気を纏った拳を入れる。すると男は気絶した。 


恐らく一人ではないはずだ。どこだ?俺は痛みをいだきながらも目をつむり集中して探す。いた!くそ日向の後ろか!どうするわざとやられるか。


「へへへいい女ゲットしたぜ」


「は、離して」


「おっと暴れるなようっかりナイフで刺しちゃうかもしれないからな。おいそいつを殺せ」


まだいたか。ここでわざとやられて隙を作ってもらうか。俺は手を上げて降参のポーズをすると横から男に殴り飛ばされた。


「くっ結構痛いな」


「まだまだだぜぇー。このナイフで刺し殺してやるよ。結構高かったしな。あの女は俺達が楽しむから安心してあの世に行きな。死ね!」


そう言って男は俺の胸付近を滅多刺しにした。ヤバイ意識を保つのが大変だ。朦朧となる意識のなか日向を見る。


「やめて!私はどうなってもいいから一豊くんから離れてよ!お願いだから」


日向は懸命に涙を流しながらも自分はどうなってもいいからと言っている。そんなこと言うなよ日向。俺はこの命に変えても守ってやるから。やがて動かなくなった俺を見て死んだと思ったのか男ははなれて俺からどき背を見せた。


「いやー一豊くん死なないでよ。まだやりたいこともたくさんあるんだよ!」


「男は死んだな。これで」


今だ俺は素早く動き、呪符に霊気を込めて雷を男に落とした。少々威力をミスったがまぁ死にはしないだろ。


「な、んだ、と」


一人は気絶した。あとは日向にナイフを向けている男だけだ。


「近づくな。この女がどうなってもいいのか!」


刺される前に置いといておいた式神が男の後ろから現れて、男に手刀を落として気絶させた。やべこれ以上は立ってられない。そう思うと同時に俺はぶっ倒れた。日向の懸命な呼び掛けを聞きながらそのまま視界はブラックアウトした。








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る