第49話
あれから数百円入れて、ようやくねるとるんのキーホルダーを見つけた。その間にゆっかーと葵のは取れた。それにしても意外にるんとねるのは近くにあったな。これならすぐに取れそうだ。俺はまずるんとねるのを同時に上に引き上げた。そうやって近くにしてから、最終的に一緒につり上げて取った。
「ほらこれ。あげるよ」
「いいの?わぁーねるちゃん可愛いな。なんかこの子とは親近感があるんだよね」
「どこかで親戚で繋がってたりしてな。悠香とねるはどこか雰囲気が似てるし」
声も似てるしな。どっちも癒される声をしている。それにルックスだってどっちもトップクラスだ。長濱という名前で言えば美海さんも確か長濱ってという名字だった気がするが。血の繋がりがあっても驚いたりはしない。それだけどちらも魅力的だからな。好きになるのは別として。
「そうかもね。それじゃプリクラに行こう」
俺達はプリクラ機のところに移動するためエレベータに乗り、その階に着くと、俺達は降りた。ここは秋葉といえどプリクラはまるで別世界のようにカップルだったり女子高生がたくさんいる。しかも結構可愛い人が多い。まぁ一人じゃなきゃナンパされることはそんなにないから複数の女子だけできても大丈夫なんだろうな。カップルはここでイチャつくんじゃねーよ。イチャつくなら東京の中心地でもやってろ。呪詛をかけてやろうか?
「はぁ一豊くんそんな恨めがまがしい目でカップルを見ちゃダメだよ。それに端から見たら私達も変わらないからね?実際羨望と嫉妬の視線がすごかったんだから」
カップルとして羨ましいと思ったてことか?俺はてっきり美少女の友達をつれているのは羨まけしからんと思っているのかと思っていたが。釣り合ってないし。
「カップルねぇー。俺達がそう見えたら嬉しいんだが、本当にそう思われているのか?全然釣り合ってないだろ」
「一豊くんがどう思おうと、知的なイケメンにしか一豊くんは見えないよ。さすがに芸能人レベルではないけど」
剃りゃ芸能人レベルだったら俺は今ごろモテモテだな。日向に好かれさえすればモテなくてもいいんだか。だがイケメンに思われるならそれに越したことはない。少しでも釣り合えるようにもっとイケメンになりたいと思っているが、まぁそれは難しいだろう。義弘みたいにとんでもなく整っているわけじゃないし。
「そうか、日向にそう思われて嬉しいよ」
「それじゃプリクラ撮ろう」
俺達は空いているプリクラ機に入ると、日向が設定をし始めた。俺はそれを見ているだけだ。よくプリクラに来る日向に任せた方がいいからな。
『それじゃ後ろからバグしてね!』
「日向よなにコースにしたんだ?」
「仲のいい幼馴染みコースだよ。ほら早く後ろからギュットして」
プリクラ機も進化したなー。そんなピンポイントのコースがあるなんて。まぁ願ったり叶ったりだが。俺は後ろから抱き締めた。そして少し、キュンとしさせたいなと思い後ろから耳元にある言葉を囁くことにした。
「日向ほど可愛い人はいないな。まるで天使のようだ。俺はそんな日向と幼馴染みで幸せだ」
「ふぇ」
日向は顔を真っ赤にしていた。可愛い。やっぱり天使はここにいた。さっき言ったことは嘘じゃないからな。これで少しでも俺を意識してくれればいいが。そして写真が撮られた。
「もうずるいよ。そんなこと急に言うなんて」
どうやら効果はあるようだ。このまま俺を好きなってくれればもっといいんだが。まぁそう簡単にはいかないか。次はなんだ?それより世の中の幼馴染みで仲がいい人ってこんなに距離感近いように思っているんだな。幼馴染みで仲がいいと大体互いに好きみたいなケースが多いからな。アニメだと負けヒロインだが。
「悪いな。少しでも気持ちが伝わればと思ってな」
「次は頬にキスをしましょう」
「これモード間違えてないか?キスとか幼馴染み同士でやるやつじゃないだろ」
仲がよくても普通やらねーだろ。キスなんて。それとも互いに好きなこと前提だからするのか?だが俺は日向が好きだが、日向は和希が好きだ。つまり俺達は好き同士じゃない。
「でも指示してるからやるよー」
相変わらず真面目だな。好きな人に関してはもう吹っ切れたのか?それとも俺を少しは好きになってくれたか?それなら嬉しいんだが。これからもアピールを続けよう。
すると日向はまだ頬を赤くしながら俺の頬にキスをしてきた。めちゃくちゃ唇が柔らかかった。これがキスか。幼稚園の頃のキスされたのと感触が大分違うな。そういえば幼稚園生の頃は日向と結婚をしようと約束をしたな。まあま日向は覚えてないだろうけど。覚えてたら好きな人できるわけないしな。
「私のキスどうだったかな?」
「最高だったわ。つい唇にしたくなるくらいな」
「唇は無理だよ。それは好き同士がやるもんだし」
そう言うことか。頬は外国でいう挨拶みたいなもの。それに合わせたのか。日向にとっては頬にキスは親しい間柄ならやるものなんだな。親しいと思ってもらえるだけましか。
それから頭を撫でたりして、プリクラを撮り終わった。落書きでは日向に任せて、俺は飲み物を買いに行った。プリクラコーナだとナンパするやつは少ないからな。日向から分かれても大丈夫なのだ。そして飲み物を買うとちょうど落書きが終わったらしく俺にプリクラを手渡してきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます