第42話
やがて会計を終えて、俺達は外に出た。端から見たら俺たちもリア充に見えるか。日向と奏と一緒にいるときのあの眼差しはそいうものなのか。てっきり美少女といるのが羨ましいだけかと思っていたが、リア充に見えるからっていうのもあるのか。実際は妹と幼馴染みなだけだが。端から見たらそんなこと分からないからそう見えても仕方ないか。
「奏帰るか」
「そうね。今日は改めて楽しかったわ。アニメのモデルになった風景を見れたし」
夜景のときはゆっくり見れなかったがな。あの男俺達にまた危害を加えなきゃいいが。大切なものを奪う的なことを言っていたからな。何をしてくるか心配だが、あいつは俺達が住んでいる場所を知らないから大丈夫か。さすがに住んでいる場所までは特定できないだろ。一応日向と奏には式神をつけておくが。
「アニメのモデルになったところはやっぱり他のところと違うな」
俺たちは駅に着くと、電車に乗った。家に帰ったら式神の作成をするか。幽霊だと俺以外のやつの式神にすると裏切る可能性があるからな。陰陽師としてあの男の強さは本物だった。そのためにもどんだけ対策を立てても可笑しくないだろう。
「お兄様明日はどっか行くのかしら?」
「日向とどっか行く予定だ」
「日向さんとね、、、、好きだと自覚させると厄介ね。まぁこの鈍感のお兄様が気づくとは思えないけど」
なんか言っているが、別に悪口じゃないだろうからほっとく。日向と久しぶりのデートだから楽しまなくちゃな。振られてから初だからアピールチャンスでもあるし。藤村だけには日向はやらない。あいつは日向を幸せにはできない。間違いなく裏切るからな。
だから俺が日向を幸せにする。それにヤンデレ化してるなら多少は俺のことを好きで大切に思っているってことだからな。アドバンテージは高いだろう。
そんなことを考えていると、最寄り駅に着いた。俺たちは電車から降りて、改札を通り、駅を出た。星が爛々と輝いている。明日は楽しみだ。
そして次の日俺は服を選んでいた。できるだけおしゃれな服を。もちろんメガネはかけるがな。知的なイケメンで少しでも日向の隣にふさわしくあるように。服はカーディガンを着ていくか。下はジーンズで。そしてお金は昨日下ろしてあるかるある程度はある。それじゃ行くか。
「奏好きなときに家をでていいからな。それじゃ俺は行ってくるわ」
「行ってらっしゃい。事件に巻き込まれないようにね」
自分から突っ込んだりしないから事件には巻き込まれないと思うが。昨日の今日であの男が来る可能性は低い。だから自分から突っ込まない限り大丈夫だろう。それに日向には指一本も触れさせやしないわ。
俺は家をでると、駅まで向かう。なぜか集合場所が駅だからだ。まぁいいんだけどな別に。だが早く行かないと日向がナンパされかねないので急ぐ。ナンパされると追い払うのには威嚇すればいいだけだから大変じゃないんだが。周りの視線が耐えられないからな。
やがて駅に着くと、携帯を弄りながら周りの視線を集めている日向がいた。そして何人かは話しかけようとしてるので、俺は霊圧を加えた。すると男達は違うところに向かった。
「日向待たせたな」
「あ、一豊くんおはようー。そんな待ってないよ」
今日はミニスカートか。足がでていてなかなかいいな。まぁ周囲の野郎の視線を集めるのは嫌だが。だが観たい気持ちも分かるから話しかけてこなければなにもしない。下劣な視線を向けて話しかけてきたら潰すが。
「そうか。それじゃ行くか」
秋葉が俺を待っている!あのアニメの数々が俺のことを呼んでいる。あそこはオタクにとって聖地だし、あそこにはイケメンもいないしな。最高の場所だ。それになんとゆってもマッカンだけの自販機が置いてあるくらいだ。アニメに良く登場するだけあってマッカンの聖地でもある。
「一豊くん今日の服どうかな?」
「可愛さを際立てさせるような清楚な装いで可愛いぞ。足に関してはスベスベそうで最高だな。まぁ他の男には見せたくないが」
「ふふ独占欲があるんだね」
「そりゃまぁ俺だって男だしな」
美少女で好きな人なら独占欲もでてくるものだ。それにヤンデレ化するのも可愛いし。義弘がヤンデレ化する幼馴染みは彼女にできないと言ってるが、俺にはその気持ちは分からん。ヤンデレ化するほど愛されているって幸せだろう。
「それで日向秋葉で本当に良かったのか?」
日向はおしゃれだから服とか見に行きたいと思っていたんだが。そこまでアニメにのめり込んでいるわけでもない。だから自分から秋葉に行きたいと思ったときは驚いた。
「一豊くんの趣味を理解したいからね。それにアニメには元々興味があったし」
趣味を理解してくれる幼馴染みとか最高かよ。嬉しすぎて顔がにやけちゃいそうだ。これが天使ってやつだな。まだ好かれてはないが、それなりに好意を持ってくれているんだろう。これから好意を持ってもらえるように頑張るか。他のイケメンとくに藤村には絶対に負けない。日向のとなりにふさわしい男にならないとな。
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