第33話
「それでどうやったら貴俊に好かれるようにできるんだろう?」
イケメンだが、美少女にアピールされて嫌なやつはいないだろう。まぁでもこのツンデレをどうにかしないと、好かれるのは厳しいだろうな。真正面からの好意しか貴俊は受けていないだろうからな。ツンデレみたいな遠回りの好かれ方はないだろうからな。だから真正面から好意を伝えるしかないとしか言えない。
「正面から真っ直ぐに好意を伝えるしかないな」
「それができたら苦労してないんだけど。どうしてもツンデレがでちゃうのよね」
「好意をツンデレじゃない、遠回しに伝えたらどうだ?相手も頭がいいなら伝わるばずだろ」
凜から聞くには成績はトップクラスらしい。県立千葉でトップクラスなら充分頭はいいだろう。文学的な表現を使ったらもっと伝わるだろう。例えば月が綺麗ですねとか。その他にももっとあるはずだ。味噌汁を毎日作りたいとかな。まぁそれを恥ずかしがらずに言えるかだが。
「そうね遠回しなら恥ずかしさも軽滅されるんじゃないかしら」
「そうかもしれない。遠回しなら直接的な好意じゃないから恥ずかしく感じないかもしれない。そうしてみるよ」
まぁ好意を伝えられれば美少女だから勝機はあるだろう。さすがに凜ほどの美少女なら好意を伝えられて嬉しくないはずはない。これが和希なら話が変わってくるが。あいつの周りは美少女だらけだしな。まぁ日向を振ったのは驚いたが。あいつ好きな人に対する接し方をしていたからな。俺にはそう見えたが、実際はそこまで思ってなかったのかね。
「あ、これ美味しいわ。ピーナッツかしら?」
これ千葉だけど、松戸じゃあまり売ってないからな。松戸は千葉という意識が低いからな。松戸都民って言われているくらいだし。まぁ俺は千葉県だと誇って言えるが。
「そうだよ。千葉県と言えばピーナッツよ」
そうだな、後マッカンだな。俺は鞄からマッカンを取り出して、それを飲み始める。やっぱりピーナッツの仄かな甘さと、マッカンの甘さはよく合う。脳に染み渡るのこの甘さがたまらない。
「千葉県は他にはネギとかもあるな。野菜は千葉県だと有名だからな」
ネギは松戸の八柱が日本一らしい。テレビでやっていた。そのとき俺はさすが我らの千葉県だと思ったものだ。ネギは俺は大好きだ。よくラーメンに合うしな。あの食感がたまらなくいい。しゃきしゃきしているのがな。後は味もいい。そう思いながらマッカンを一本のみ終わるともう一本取り出した。
「ちょマッカン飲みすぎよ」
「人生は苦いんだから甘さは大量に必要だ。つまり練乳のたくさん入っているマッカンは必要ってことだ」
人生に色を与えるためには甘さは必要だろう。それだけの力がマッカンにはある。マッカン最高。これ以上の飲み物は存在しない。神様の叡知がつまった最高の飲み物だからな。
「義弘糖尿病になるわよ」
「神の作った飲み物であるマッカンで病気になるわけないだろ」
「なるわよ!これは鞄にしまいなさい。今日3本目でしょ。2本目までは許せるけどそれ以上はマジで糖尿病になるわよ」
仕方なく俺はマッカンをしまう。まぁお茶も好きだからこれでピーナッツを食べるのも別にいいんだが。俺はお茶を啜る。ふむ宇治抹茶か。甘さを感じる。京都から取り寄せてきたのか?わざわざ親戚のためにこんな高級なお茶出さなくてもよかったんだがな。
「それにしてもここの神棚豪華だな。土御門本社のほうもここまで豪華じゃなかったぞ」
「まぁ鎌倉時代からあるし。それだけここの神社は格式高いしね。土御門神道は土御門のための神社だし」
まぁ信者は全国にいるしな。全国の陰陽師や占いしもここを信奉している。厄除けに関しては陰陽師も受けるし。それだけ力のある歴代の神主がいたってことだ。今も結構力を持っていて凜が弟子入りしてるくらいだし。陰陽道もここの神主は極めている。
「そうだな、それで思い出したんだが、俺たちに厄除けをやってくれないか?なんか厄があっちから来そうな気がするんだよな」
「いいわよ。それじゃ準備するから少し待っていて」
そう言うと、凜は準備しに行った。まぁそんなに使うものはないが、どれも重要なものだからな。準備をちゃんとするのだろう。あの若さで千葉神社のナンバーツーと呼ばれるだけあって俺達にたいしても妥協をしない。普通は少し手を抜くもんなんだけれどな。まぁそこが凜のいいところでもある。
「お兄様神道の儀式は胡麻すりとかしないのかしら?」
「しないと思うぞ。白い紙の着いたものを左右に振りながら祝詞を唱える感じたな」
ネットで見た知識だとそんな感じだ。うちは陰陽師なだけあって、神頼みみたいなかとはしないからな。大体は自分達で解決できるし。自分達が呪術式を使うからな。
「そうなのね、受けたことないから知らなかったわ」
「俺もネットで知った知識だがな」
葬式に関してはどういう形式でするのかは知らないが。神道か仏教かはたまたオリジナルか。まぁそのときになれば分かるだろう。できればまだ分かりたくないが。分かるってことは誰かが死ぬってことだからな。死んでほしくないしな。
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