第32話
千葉神社は相変わらず壮麗な建物だ。ここの宮司は千葉氏の出だ。平安時代の桓武平氏の血筋だから遡れば天皇家の血筋ってことになる。かなりの名門ってことだな。土御門よりも名家では上だろう。天皇の血筋はどんな家よりも上だからな。ここの神社なの神主とは鎌倉時代から土御門家との関係があったらしい。どうやらここの神主の先祖は土御門家に陰陽道を学びに来ていたらしいからその繋がりだ。千葉氏自体は武士で陰陽道と関係なさそうだが、千葉神社の神主家系は分家で千葉神社を守る役割があり、土御門家に学びに来たのだ。元々祭ってるのが陰陽道の神様でもあるからな。
「お兄様凜さんを探すわよ」
「そうだな。まぁあいつのことだからどっかで掃除でもしてるんじゃないか?」
ナンパされてないといいが、何回か遭遇したことあるんだよな。あいつ巨乳で美少女で少し派手だからヤリたい目的からしたら狙いやすいんだろう。まぁ実際はまだ処女でどっちかというとまだ純粋な部分があるんだけど。それに真面目で与えられた仕事はこなすからな。だからその辺で掃除してるんじゃないかと思ったんだが。
「あ、いたわやっぱり掃除していたか。ナンパはされてないようだ」
「そうみたいだわ。ナンパされる前に話しかけましょう」
俺達は凜に近づき話しかけた。すると凜は来ることを予測していたのか、そこまで驚かなかった。そういや凜は星読みが得意だったな。星読みというのは簡単に言えば未来予知みたいなものだ。だから来ることも分かっていたのだろう。これは毎日することで鍛えられるからな。
「久しぶりー一豊、奏」
「よう。そっちは進展あったか?」
「はぁー相変わらず鈍感でないわよ。しかも顔だけに惹かれている女子に邪魔されるし」
まぁイケメンの宿命みたいなものだから仕方ない。イケメンはモテるからな。ちっ羨ましいったらありゃしないわ。俺も逆ナンされたが、あれは目一杯変装してだ。普通の状態でもイケメンはモテる。俺のいとこの義弘がいい例だ。あいつえイケメンだからモテる。まぁ幼馴染みがヤンデレで彼女できないらしいが。幼馴染みに好かれているだけで羨ましいわ。
「イケメンだから仕方ないわ。主人公を好きになるよりましよ。そいう人達の周りには美少女ばっかしがいるし」
和希のことか。あいつの周りには美少女しかいないまである。男にはモテすぎていて避けられているからな。まぁ男友達がいないって訳じゃないが。だが極端に女子が周りに多いってだけだ。俺の場合はそもそも異性同性関係なく友達そのものが少ないけどね。
「そうだなイケメンなだけならまだなんとかなる。俺みたいに日向が主人公を好きって訳じゃないからな」
そろそろ藤村を動いてくる頃だろう。俺も日向にもうアタックしないとな。イケメンには負けられない。それに女好きで間違いなく幸せになれない。和希なら諦められたんだがな。それ以外には俺は日向を渡すつもりはない。それくらい日向が好きなのだ。
「一豊の好きな人って主人公みたいな人が好きなの?」
「振られたがな。だから俺にもまだチャンスはある」
和希を除けば俺が一番近くにいるからな。そこら辺のイケメンよりかはチャンスはある。日向は見た目で人を好きになったりしないからな。和希は主人公だが、決してイケメンではないし。やはり性格に惹かれたんだろうな。
「へぇーそうなんだ。それより室内来なよ。暑いでしょ」
「それじゃお邪魔するわ」
俺達は千葉神社の社内に入った。外観はいかにも神社って感じで、社の中も豪華だ。そして歴史を感じる。まぁ住んでいる場所は別だからな。生活感はでていないだろう。ここでご祈祷をしたり、儀式を執り行ったりするからな。それだけ大切な場所だ。
「それじゃ私はお茶を持ってくるよ」
そう言って凜はここから離れた。千葉神社は年始はめちゃくちゃ人が来るから、凜も一日は本家の方にいないんだよな。千葉神社は千葉市で一番有名な神社だからな。ご利益もあるし。
「お兄様、千葉神社に来ましたし、ご祈祷してもらうのはどうかしら?」
土御門家は陰陽師だが、ご祈祷とかはしないんだよな。厄払いはよく頼まれるからするけど。土御門神道の方はよくやってるぽいが。陰陽道にも一応現世利益を求めるものもあるが、今はそういいったのは神社や寺が行っている。一般的な人は陰陽師に頼まないしな。
「そうだな、いいかもな。神道の儀式にも興味あるし、頼んでみるか」
そんなことを話していると、凜がお茶を持ってきてきた。それを俺たちの前に置いた。そして凜は正座をして裏千家の作法でお茶を飲む。相変わらず優雅だな。これが幼少の頃から土御門家の跡取り候補になっているだけはある。
「それで凜さん神職はどうかしら?」
「んー楽しいよ。巫女装束だからナンパしてくる人がいなければもっといいんだけど。マニアって結構面倒だよ」
俺も女子高生の制服が好きだから分からなくもないんだよなぁー。巫女装束は土御門の本家で見慣れてるそこまでじゃないが。
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