第31話

この辛さたまんないなぁー。麺と絡み合って喉にも絡み合うよう辛さどう表現したらいいか分からないが、美味しい。やはりラーメンは辛くなくちゃな。きょんこはにこにこしている。まぁ自分の家の店のラーメンを美味しそうに食べればそりゃ嬉しいか。俺はどんどん麺をすする。奏も夢中になって食べている。俺達はラーメンを食べると無言になる。味を味わいたからだ。それから無言で食べ続けて、十分ほどで食べ終わった。


「どう美味しかった?」


「ああ、美味しすぎて常連になりそうだ」


これこそ美味。最高のラーメンだ。きっと店主も長年研究し続けたに違いない。今度はここで味噌ラーメンを食べてみるか。


「それならよかった。お父さんも喜ぶよ」


「それにしても大丈夫なのか?きょんこは襲われそうになったが、ファンのほとんどは男だろ。握手会とか大丈夫か?」


握手会で男と接触する拒絶反応がでると握手会を休まなきゃいけないし、人気も落ちる。それに恐怖感がでてくるんじゃないかと不安になる。


「まだどんな風になるか分からないけど、ファンはああいった襲ってきた存在とは別物だと考えてるから大丈夫」


オタクの中には危険物を振り回すやつも中にはいる。そのときにトラウマがでてこなきゃいいが。そうなったら間違いなく引退に追い込まれる。それだけトラウマになる出来事だ。


「何かあったら言えよ」


「それなら連絡先交換しよ。じゃないと何かあったときに話せないでしょ」


なんか奏が苦い顔をしてるが、なんでだ?後連絡先はそうだな思い交換する。俺がいるのに襲われそうになった責任はあるからアフターケアーをしないとな。


「よろしくね義弘」


「ああ、よろしくなきょんこ」


「私もラーメン食べ終わったからそろそろ仕事に戻るね。仕込みの準備しないとだし。それじゃ千葉を楽しんで」


そう言って厨房に入った。また今度は夜の準備か。土日は忙しいのか。やっぱり働くのはダメだな。自分の時間がなくなる。俺はやはり働かない。株でそれなり稼げてるし。陰陽師としての仕事は奥さんにほとんど任せたまにでるくらいでいい。


「それでお兄様この後は千葉神社にいくわよね」


「夜景も見たいからどっかで時間を潰さないとな。千葉神社行くか。後はアニメイトに行くか。俺の青春ラブコメは間違っているのグッツがたくさん置いてあるだろうし」


「千葉のアニメイトは楽しみね。きっといろんなグッツがありそうね。千葉をモデルにしたアニメがいっぱいあるし」


千葉のアニメイトはご当地グッツがあることで有名だ。千葉をモデルにしたアニメが多いからだろう。それだけ千葉が魅力的ってことだな。千葉県民として誇らしい。ピーナッツだけじゃないぞと言ったところをもっと千葉県はアピールすべきだ。野菜だって千葉県はかなり輸出している。千葉だけで小さな国家ができるほどだ。


「それじゃーまずは千葉神社に行くか」


「そうね、凜さんとも久しぶりに会うわね。恋は実ってるのかしらね」


「いやあのツンデレじゃなぁー。相手は鈍感だから厳しいだろ。また愚痴を聞かされるのか」


ツンデレを解消しないとなにも始まらないと思うが。それに相手はイケメン。みんな好意的に接するからツンデレに耐性がなくて気づかないだろう。直接的な好意が多いからなイケメンには気づきづらい。俺達は気持ちを聞いてるから分かるが。ラノベ好きくらいだろうあれに気づけるのは。


「それは仕方ないわ。うまくいかないし、私の愚痴も聞いてもらっているしね」


それは初耳なんだが。異性の男が下劣な目的で近づいてくるとかか?そいつらはやはり一回痛い目に合わせないとダメか。彼氏の振りをしてくれと奏に頼まれているし、学校に行くか?


「凜はモテるが好きになった人には好きになってもらえないと嘆いていたよな。まぁそれはツンデレのせいだと思うけど。好きでもないやつとは普通に話せるしな。むしろ勘違いをさせている」


凜は天然なところがあるからボディータッチが多いし、勘違いさせそうな行動をする。なんで好きな相手にだけツンデレになるのかはなぞだが。


「モテまくっているわよね。だから好きな人と二人きりなれる時もそんなに多くないらしいわね」


僧アピールしようにも周囲か邪魔をするのだ。凜のことが好きなやつとか、凜が好きな人を好きなやつとかが邪魔をする。アピールの機会がきてもツンデレで気づいてもらえない。不都合だよな。


「まぁなんにせよあのツンデレをどうにかしないとな。端から見る分にはあれはあれで魅力的だが」


ちなみにヤンデレも好きである。まぁ現実にそんな奴はいないだろうけど。いたとしてもそこまで愛してくれる奴はいないだろう。ヤンデレはかなり強い愛を持ってるからな。まぁ俺は日向が好きだから関係ないけど。日向がヤンデレの可能性は低いが。


「お兄様千葉神社着いたわよ」


「そうだな。やっぱり空気がいいなここ」


「そうね。土御門家にやはり相性が良いんじゃないかしら?」


それはあるな。ここで祭っている神様は陰陽道でも神様だからな。陰陽師と相性がいい可能性は充分ある。だからこそ凜がここでバイトをできるんだが。住み込みで。たまに巫女装束の美少女だからナンパもされるらしいが。それはちゃんと断っているらしい。一回だけ凜の好きな人に助けられてもっと好きになったと惚気話を聞かされたこともある。


「千葉神社に着いたわよ」


俺達は鳥居を潜り千葉神社の敷地内に入った。









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