第30話
「お待たせいたしました。ピリ辛味噌ラーメンになります」
ふぅーやっと食べれるな。さっきは邪魔が入ったが今はラーメンを楽しめる。美味しそうだ。するときょんこもなぜか俺となりに座った。なぜに?きょんこは仕事中のはずだが。
「さっきはありがとうございました。それでご一緒してもいいですか?」
「奏はそれでいいか?」
「ええいいわよ。、、、、やっぱり命助けられたらそうなるわね。しかも相手がアイドルとか笑えないわ」
奏は少し浮かない顔をしてるな。まぁ兄妹水入らずの時に来たから仕方ないか。奏も結構なブラコンだし。まぁそれは過去にあることがあってそうなったんだが。それは置いておこう。
「それじゃお邪魔します。私もラーメン食べよっと。味噌ラーメンしよう」
きょんこのラーメンを食べる姿は本当に美味しそうに食べるから、見ていて気持ちがいい。奏は現役アイドルと食べるなんていつぶりかしらと言っている。まぁ奏は基本一人だからな。孤独というより孤高だが。まぁ友達は普通に学校にいるけどな。だが男とは関わりをほとんど持っていない。奏曰くお兄様がいれば異性との会話は必要ないわだそうだ。
「北海道味噌ラーメンか。結構美味しいよな。俺も辛いラーメンの次に味噌ラーメンをよく食べるし」
濃厚なスープが美味しいんだよな。いつか本場の北海道にいきたいものだ。きっともっと美味しいんだろう。味噌ラーメンは他に蔵出し味噌とか、仙台味噌とかあるが、やっぱり一番は北海道味噌ラーメンだ。
「ラーメンよく食べるんですね。それならうちご贔屓にしてください」
「それは食べてからですね。年上なんですからため口でいいですよ」
「なんで年上ってことを知ってるんですか?」
これ言っていいのか?ファンに自分の家の店を知られるってリスク高くないか。だけど本人が知りたそうにしてるからいいのか。俺はチラッと奏を見ると問題はないわという顔をしていた。
「きょんこですよね?」
「え?私の変装ばれてるの?」
「お兄様ぐらいにしかばれないから問題ないわよ。お兄様はぼっちの時の習性で観察眼が優れているのよ。そうぼっちの時のね」
ぼっちを強調するな。今は日向とか野球部のみんなとかいるからな。小学校低学年までだぼっちだったのは。まぁ今も友達は少ないけど。抱けと友達は量より質だよね!
「そうなんだね。私にもため口でいいよ。ファンならそっちの方が話しやすいでしょ」
「それじゃ遠慮なくため口で話させてもらう」
それにしても距離感が近いな。奏がこっちをにらんでいるから勘弁してほしいんだが。まぁ助けたから懐かれただけで、すぐに飽きるだろう。一時的に王子様に見えてるだけだからな。俺の普段のだらしなさを知れば、きっと離れていく。人間とはそいうものだ。
「そっちの方がいいね。それでファンなんだよね?写真は無理だからサイン書こっか?」
「ハンカチだが、頼むわ」
俺はハンカチとマジックペンを取り出した。いつ有名人にあってもいいように準備しているのだ。役に立ったからやはり準備するのは間違っていなかった。
きょんこはすらすらと書いていく。書き慣れてるな。さすがトップアイドル。俺はサインかいてとかいわれても自分名前をローマ字をちょっと崩して書くことしかできない。
「ほらできた。ついでに一豊くんの名前も書いておいた」
一豊くんカッコよかったよと書いてある。これファンが見たら発狂するよな。どっかに飾るか。有名人のサインもらうのはなにげに始めてだったりする。ねるのは外れるしな。るんに関しては知りすぎていてサインをもらう気になれない。サイン入りチェキはあるが。
「ありがとな。それできょんこは休憩か?」
「うん、元々お客さんが減ったら自動的に休憩って感じだからね。手伝っているだけでバイトじゃないから」
まぁそうだよな。手伝いで長時間労働はないか。その辺の自由が利くのはいいな。俺はそもそも働きたくないけど。株で生活して家庭に入る。子供に勉強を教えるのも好きだしな。
「そうか、まぁさっきの事件ですぐに皆帰ったからな。その場にいるとまた怖い場面を思い出しそうで食欲がなかったんだろうな」
俺は普通に食べれるけど、なんなら血を見ても普通に食べれる。それくらい人の血には慣れた。まぁ陰陽師をしてるといろんな血を見るからな。妖怪とか呪いをかけられた人とか。血生臭いことはよくあることだ。
「それにしてもすごかったね。認識してないところからの攻撃。加速してでの攻撃。陰陽師って言っていたけど本当にそんなことができるとは思わなかった。ファンタジーでしかないと思っていたから」
「まぁ普通の人はそう思うよな。今も陰陽師は一般に浸透してないし。アニメとかはちょっと誇張しすぎてるからな。まぁそのせいで陰陽師になりたいというやつが弟子入りを懇願するんだが、思ったのと違ったとか言ってやめてくが」
陰陽師は修験僧みたいな修行をするからな。俺も実際中学まで山に籠ったり、ひたすら呪文を唱えながら儀式をやったりしていたからな。後は呪術の本で式符に呪式をかいて呪文を唱えたりとかな。占いをしたりいろんなことをした。
そんなことを思い出していると、きょんこはなんか大変そうとか言った。
「まぁ慣れればなんともないがな」
そう言ってラーメンを食べ始めた。
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