第26話

「誰か鈍感だ。俺は敏感だぞ」


むしろ日向が和希を好きになるまでは俺を席なんじゃないかとい思うくらいの勘違いをするくらいだ。だからむしろ俺は人の好意にはすぐに気づく。和希じゃあるまいしな。あいつは主人公だから化なり鈍感だ。美少女にアピールされても気づいていないし。


「どこがですか?妹さんもそう思いますよねぇー?」


「そうね、お兄様は鈍感だと思うわ。アピールをなんでもないかのように躱してるし」


なき俺っそれじゃモテてるの?こんなどこにでもいるような男が?それはないだろ。和希みたい主人公特有のオーラを持っていないんだから、イケメンでもない俺がモテるはずない。


「その話はおいておいて、安希写真撮ってくれないか?屋上でマッカン飲んでいるところを撮って欲しいんだ。奏とな」


「いいですよぉー。そのあと私とも撮って、連絡交換してくれたらですねぇー」


そう上目遣いで言ってきた。そんなの断れないじゃん。美少女の上目遣いほど破壊力のあるものはない。しかも胸が見える角度で言うとか無理だ。これこそあざとい小悪魔だ。


「いいぞ、それじゃマッカンを飲むから撮ってくれ」


奏も飲む動作をする。そして二人揃って下界を見ながら飲んでいると、カシャッと写真を撮った。それからいろんな所を写真に撮った。


「それじゃ私と撮りましょうよぉー」


「分かったよ。なにすればいい?」


「二人でお昼を取ってる感じで撮りましょう。ここにお弁当があるので」


「分かったよ。それで俺はこのお弁当を食べればいいのか?」


それなら難易度はあまり高くないな。もっと過激なことをやらされると思っていたしな。後ろから頭をポンポンしてくださいとか言われるかと思っていたし。

 

「なに言ってるんですかあーんで食べるんですよぉー」


いや会ったばかりの人間にそれは難易度が高いだろ。奏もすごい形相してるし。まるで親の敵を見つけたような。とりあえずかなり怖い。頼むからその表情はしないでくれ。


「もう撮っちゃいましたからね♪もう引き返せませんよ」


「はぁー分かったよ。奏頼むわ」


すると安希は奏を見てニヤッとした。それを見て奏は無表情になっているが、青筋がピクピクしている。かなり切れてんな。まぁ挑発されたらそうなるか。俺も奏があーんを要求されて、そのあとに相手の男がこっちを見てニヤッとしたらイラッとくるな。


「分かったわ。後で覚えてなさいよ安希さん、、、、お兄様は渡さないわ」  


「それじゃはいあーん❤️」


安希はハンバーグをきれいに切り分け、あーんしてきた。奏は能面のように無表情だ。まるで怒りを隠すかのように。怖いわ。怒りを通り越すとああなるんだな。


「あーん。ん美味しいな。頭スイーツ系の女子かと思ったかしっかりと味付けができている」


あーんのしている瞬間を奏は一枚撮った。んいい感じにデミグラスソースが効いている。料理できる系の女子なんだな。俺の周りって料理できる人多くね。まぁ努力したからなんだろうけど。奏とか小学校の頃塩と砂糖を間違えたり、まそしるにめちゃくちゃ味噌をいれたりしてたからな。今じゃプロ顔負けの料理を作るからな。


「失礼ですね。私だってモテるために女子力高い女子を目指しているんですよぉー。それに頭はそれなりにいいんですよぉー。これでも木更津高校なんで」


俺と同格の高校か。まぁ木更津高校の方が県立千葉高校いけたのに通学の距離的に通えないからここに来たっいう層が一定数いるから木更津高校の方がトップ層は優秀だが。うちは近くに東葛高校があるからな。頭いいやつは大体東葛高校にいく。ていうか俺は必死こいて受かったのに、東葛高校の人達はほとんど勉強しないで入った人が多かったから差を感じだな。


「思ったより優秀なんだな。うちと同じくらいだ」


「へぇーそうなんですね。どこ通っているですか?」


「県立竜山高校だ」


「最近でてきた進学校ですね。それにしても以外ですね。てっきり慶応の付属高校通ってると思ってました」


そんなに俺賢く見えるか?慶応の付属とか男子校だし、遠いから最初っから選択肢にいれてなかったわ。まぁ目指しても多分落ちるが。そもそも日向が通えない時点で受けるつもりはなかったが。それに日向ともっと青春を送りたかったからな。うちの高校も先輩達の代は野球部も強かったし、かなり魅力的だった。


「さすがにそこは選択肢になかったぞ。遠いし」


「千葉県住みなんですかぁ?」


「ああ、そうだ。まぁ奏は私立の中学に通っているが」


「私も高校はお兄様と一緒の所に通うわ。、、、、お兄様を日向さんに渡すわけにはいかないからね」


もったないけどな。東葛中学なら東大も奏の成績なら普通に目指せると思うが。上位四割にいれば目指せるラインだし。竜山高校は上位一割じゃなきゃ厳しいし。まぁ日向は普通に目指せるが。俺ももっと勉強しないとな。


「へぇー同じ高校に。まぁ私は遠すぎて転入はできませんので羨ましいですねー」


「なのでお兄様と安希さんの関係はここで終わりよ。だからさっさと離れてちょうだい」


「終わりませんよぉー。同じ千葉県なんですからそんな遠くないですし。てことで連絡先交換してください」


そう言って引っ付いてきた。柔らかい。いい匂い。胸が当たっている。ここが天国か。なんと心地のいい場所なんだ。















  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る