第27話

「お兄様なんで鼻の下伸ばしてるのかしら?お兄様は足好きでしょ。そんな駄乳なんかに興奮してどうするのかしら?その胸を切り落とそうかしら」


どこからともなくなぜかハサミを取り出した。真顔でチョキチョキとハサミを動かす動作をしながら近寄ってくる。これは本気のときの表情だ。俺は安希を引き離した。このまんまだと俺のあれも切られからな。


「奏落ち着け、俺は奏の足が大好きだ。てことではなを伸ばしたのは男としてでてしまっただけだ。断固として興奮したからではない」


奏無表情で俺の顔をじっとみる。俺はその目をじっと見る。改めて奏は顔が整っているなと感じた。やっぱ美少女は無表情のときが本当に整っているか分かるよな。


「ほんとみたいね。命拾いしたわね安希さん」


「ただ嫉妬しただけのように見えますがぁー。まぁいいです連絡先交換しましょう」


「分かった。これラインのキューアールコードだ」


連絡先交換には奏は文句は言わない。俺が了承すれば奏は人間関係には口出しはしないのだ。アピールしてきたらそれを避けようとするが。まぁ大事な兄がどこの馬の骨とも分からない女に取られるかもしれないと思うんだろう。俺も兄としてその気持ちは分かるから特に止めてはない。日向のときはやめてほしいがな。


「ありかとうございます。今ライン送りました」


俺はそれを確認するあざといいろはのスタンプを送ってきた。似合ってるなこのスタンプ安希に。あざといやつはあざといやつに惹かれるのだろうか?


「確認した。それじゃ俺達はそろそろ行く。何かあったらラインをしてくれ」


「それではまた会いましょう」


まぁ互いに家は千葉市から遠いから、そんなに頻繁に会えないと思うが。安希は気にしなさそうだな。すぐにでもこっちに来そうだ。そしたら案内ぐらいはしてやるか。安希は屋上をでた。


「それじゃ俺達もマッカンを飲み終わったら行くか」


「そうね。稲毛高校を見れてなかなかいい体験だったわ。今度はどこにいこうかしら?」


「ラーメン屋はどこにあるんだ?」


「千葉駅よ」


千葉駅か、それなら近いし、もうちょいこの辺を回るか。一緒に放課後帰っているかんじで。日向以外と帰るのは新鮮な気持ちになるしな。


「それじゃ聖地の帰り道でも一緒に帰ってる感じで回るぞ」


「いいわね。そうしましょうか」

 

俺達はマッカンを飲み終わったあと、屋上をでて、廊下を歩く。不思議な気分だ。アニメででくる廊下を歩いていると、まるで自分がアニメの世界に来たような気分になる。これが聖地に行きたくなる理由だ。他の県外の聖地にも行きたくなってくるな。夏休みにちょっと小旅行でも行くか。夏の大会が終わったあとは休みだからな。


俺達は視線を受けながら学校をでると、何人かのコスプレヤーが話しかけてきたが、奏が毒舌なことを言い返すと、尻尾を巻いて逃げてった。本当奏は俺以外の男に厳しいよな。これ学校でうまく過ごせているんだろうか?人間は逆上すると何をやってくるか分からないからな。心配だ。


俺達は聖地になった帰り道を歩く。奏は腕に抱き付いている。奏よ。胸か当たっているんだが。それなり胸があるんだから自重してほしいんだか。俺の理性か今にも爆発しそう。襲ったら俺は世間的に死ぬ。しかもふふと嬉しそうに笑顔を見せてるし。


それにしても、いい眺めだ。まるで自分が総武高校に通っているような気分になる。もしアニメのモデルになった高校があるなら俺はそこを選ぶだろう。それだけアニメのモデルになった高校というのは特別なのだ。だから進学数を増やすためにアニメの母校にする運動でも生徒が集められない学校はするべきなんじゃないだろうか?ある程度集められると思うぞ。


「お兄様あそこのマンションは雪ノ下さんのマンションのモデルになった場所ね」


人が何人か集まって撮っている。中には俺の妹が可愛いわけがないのコスプレもしてる人もいる。まぁあれも千葉がモデルだからな。いてもおかしくない。


俺達は隠業の術を使って写真撮っている人にばれないように移動をして、写真を何枚か撮った。ちなみに隠業の術を使ったのはばれるとナンパをされるためだ。何人かコスプレヤーをナンパしてるやつがいたし。間違いなく奏がいたらナンパされるだろう。


俺達は写真を撮り終わったので移動することにした。次はどこにいくか。もうお昼時だし、ラーメン食べに行くか。そう思うと無性に辛いラーメンを食べたくなってきた。


「そろそろラーメン屋に行かないか?」


「そうね。それでは道案内は私がするわ」


俺達はマンションをでて、千葉駅に向かった。今日はコスプレのイベント日だからあまり目立たないな。まぁ美少女がっていう意味では奏は目立っているが。それはいつものことだ。芸能人かな?という声はちらほら聞こえるが。彼氏お金持ちなのかなという声も聞こえる。知的なのってそんなにお金を持ってそうに思われるのか。


やがて稲毛駅に着くと、電車に乗った。


今日は特別イベントだからか総武線は八幡やその他のヒロインが声を担当している。そこは流鉄と同じ町お越しをしようとしてるみたいだが。そもそもある程度人は来るのにやる意味があるのかと言ったらある。オタクが来るからな。そしてお金を落としてくれるし。そう考えながら俺は声優の声を聞いていた。








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