第14話
多分アクエリの準備でもするんだろう。後は部員の課題を見つけてそこを分析して、どう改善したら良いかとかだろう。だからうちのマネージャーは野球専門家みたいなやつがマネージャをやっている。というかそのくらいじゃないと入らせてもらえないからな。野球部のメンバーはイケメンが多いから入部希望者も多いから、そこで振るいにかけないとマネージャが不必要に増える。
「冬優花それ持つぞ?」
「あ、一豊。いいの?片手にボールを持ってるから持ってくれて嬉しいよ」
まぁ単体だとそんな重くないが、ボールの入った缶を持ってるから重いだろうな。ボールの方は冬優花ができるだけ役に立ちたいと思っていて、前大丈夫といわれたから持つことはない。それだけ野球に集中してもらいたいんだろう。その日の練習は支えられてると思って熱が入ったな。
「それにしてもだんだんピリピリしてきたね。特に三年生とか」
「夏も近いが、受験シーズンでもあるからな。うち学校は他の強豪校と違って、人を集めてないし進学校だからな。みんなそれなりの大学を目指してるからだろ」
このがく学年は過去みないほど逸材が揃っていて推薦もあるがそれを受けず、皆一般入試で大学を狙っている。それを可能にする学力もあるからな。向井先輩以外も複数の人が東大を目指している。学力も過去に例がないほど高い。タからいろんな部活の顧問に羨ましがられている。
「すごいよね先輩達。あの数学を苦手とする人がいないしねぇー」
「まぁな俺も克服しないとな」
理系科目が壊滅過ぎてヤバイんだよな。東大は数学が重要と言われるし、睦月に教わる以外にも勉強した方がいいし、予備校にでも入るか。うちの学校なら特待生でいけるし。
「え?一豊って東大目指してるの?」
「まぁな、向井先輩に誘われたし、東大で優勝するとかカッコよくないか。文武両道の頂点みたいな感じで」
「確かにそれはあるかもねぇー」
そしてグラウンドに着くと、冬優花は缶を置き、アクエリを作り出したので、俺はその場から離れて、近くにある坂で坂道ダッシュをし始めた。
やっぱ足腰鍛えるには坂道ダッシュが1番だな。体力もつくし。長距離も良いがこっちの方が瞬発力ある筋肉がつく。そして急速が上がりやすい。もちろん長距離も体力がつきやすいがな。中学の時は駅伝で走ったこともあるから長距離も好きだ。どっちも大切ってことだな。
「あ、やっぱりここにいたんですね。一豊先輩~」
あざといな。こいつは近衛だ。名前から分かる通り貴族の末裔だ。だからめちゃくちゃお金持ちで、どこか常識とずれてるやつだ。そしてあざとい。
「なんだよ近衛」
「鼎って呼んでくださいよぉー」
「いや近衛を下の名前で呼ぶと、後輩からすごい目で見られるからな」
「冬優花先輩は良いのにですかぁー」
「あいつは接点があるからなにも言われないんだよ。近衛は他人からしたら接点ないだろ」
こいつは生徒会に入っているし。だから部活はできないからな。何で生徒会のやつがここにいるかって?知らんなんかいつもいるんだよ。まぁ仕事はそんなに多くないだろうが。
「ぶぅー一豊先輩の1番の後輩ですよぉー」
「近衛それ他の先輩にも言ってそうだよな」
こいつはあざといしな。勘違いさせる言動が多い。その結果同級生の女子からあまり評判がよくないから居場所を作るために生徒会入ったんだし。まぁ俺が進めたんだが。居場所がないのは辛いからな。野球部だと知識がないとは入れないからな。
「前は言ってましたけど、今は一豊先輩だけだすよぉー。特別なんでぇー」
そう言ってあざとく上目使いをしてきた。そういう勘違いさせる行動はやめようね。それをやって勘違いした男が告白して振られてなにあいつ勘違いしたのキモーとかなって傷つくのは男なんだから。俺も日向が和希をす気になる前は勘違いしてたからな。そういったやつの気持ちは分かるのだ。
「あざといあざとい。それで暇ならタイムを計ってくれ。ちょっと長距離走ってくる」
「暇じゃないんですけどぉー。早く仕事を終わらせて一豊先輩に会いに来てるんですが。まぁ計りますけどねぇー。それじゃ頑張ってください!」
俺は走り始めた。長距離は一定の呼吸で息をすると大分楽になる。これは中学の時に身に付けたものだ。それにしても近衛は何でいっつもこっちに来るのだろうか?生徒会の仕事はイベント以外の時ではあまりないとは言え、すぐに終わらすのはそれなりに大変だろう。
まぁ今は走ることに集中するか。三キロ走るから8分代でれば十分だろう。これくらいのタイムなら大会で入賞できるレベルだしな。
やがてゴールが見えてきた。このペースはなかなかきついな。俺は元居た場所に着くと手を膝に当てて呼吸をした。
「何分だ?」
「8分41秒ですよぉー。相変わらず早いですねー」
上出来か。このあと坂道ダッシュを何本かやって、バッティング練習ををするか。ピッチャーだから打ち取れると思われたらダメだしな。前の打者を敬遠されて、そこで攻撃が終わったら勝てる試合も負ける。夏の大会は負けるわけにはいかないのだ。
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