第13話
俺はユニホームに着替えると、ぐらうんどにあいさつをして出た。竜山高校は進学校なだけあって勉強に集中する人も多いから、自主練が多い。だからアップも一人でやる。談笑しながらやるやつもいるが、俺はゆっくりと自分のペースでやりたいから一人でやる。その方がほぐれたりするしな。
軽くはランニングンをしてストレッチをした。アップはこんなもんでいいだろう。キャッチボールの相手を探すか。できればキャッチャーがいいな。今日の調子が分かるから。
「お、一豊もちょうどアップ終わったみたいだな。俺とキャッチボールしようぜ」
睦月はキャッチャーだからちょうどいいな。しかもレギュラーだし受けてもらうことも多い。まぁキャッチボールは良く向井先輩とやっているが。
「いいぞ、それじゃまず肩甲骨をほぐして」
俺は方をぐるぐるして腕を伸ばしたりした。肩甲骨が固いと怪我の元となる可能性があるからな。気を付けないと。ほぐし終わると、俺はグローブをはめる。睦月はボールを軽く投げてきた。それをとり投げるときに肩を下げすぎないように気を付けながら投げた。
「ナイスボール。相変わらずストレートが変化するな。これってやっぱ意図的に変化させてるのか?」
「カットボール気味なのはそうだな。ムービングファーストは違うが」
俺はストレートの持ち方をしないで野球を始めたからストレートが変化するようになったのだ。まっすく投げようとするとストライクゾーンにいかないんだよなぁー。だから球を治すことはしない。小学校の頃は球が変化して、ピッチャーできなくてショックだったが。しかも野手でも球が変化するから代打だけしかでれなかった。
「ピッチャーになるべくしてなった感じか。これで140キロでるんだからそりゃ打てないよ」
「向井先輩ほどじゃないぞ。あの人のストレートの伸びはプロでも通用するレベルで、スライダーもエグい曲がりかたするしな」
あれは高校生レベルではない。甲子園にでている高校も完封するくらいなんだから。おまけにイケメンだから女子のファンはめっちゃいるし。学校内でファンクラブがあるくらいだしな。だから試合中の応援はものすごいことになっている。イケメンプラス何かあると色々と有利だよな。イケメンずるい。
「まぁあの人はめちゃくちゃだからな。なんでそんなに曲がるのというくらいの変化球投げるからな。絶妙なコースにも投げるし、キャッチャーとしては楽だしな」
マジて高卒でもプロにでも行けるよなぁー。実際にプロのスカウトマンも来てるし。まぁ東大で優勝することが小さい頃からの目標だから行かないんだろうけど。そのために文武両道であるこの高校に進学してきたんだし。どっちも全力を出すために。
そんなことを話しながら少しづつ距離を伸ばしていく。そしてある程度の距離になると変化球を何球か投げる。曲がり具合はいい感じだ。この調子を夏の大会まで持続したい。
そしてキャッチボールを終えると、俺達は飲み物を飲んでいた。やっぱ運動中はジュースに限るな。本当はアクエリとかがいいんだろうが、疲れを取るため何だから好き者を飲む方がいい。
「それじゃ俺は向井先輩が来たみたいだから、キャッチボールを終わるのを待ってからブルペンに入るな」
「分かった。俺は違うキャッチーを探すわ」
そう言った背伸びをして、空いてるキャッチャーを探しにいった。高槻が誰かを探していた。暇なら高槻にブルペンキャッチャーをやってもらうか。
「よう高槻、今暇か?」
「はい、ピッチャーを探していたところ何ですが、一豊先輩は空いてますか?もし空いてるなら球を受けますよ」
「それはちょうど良かった。俺も高槻を誘おうと思っていたんだ」
俺達はブルペンに入った。そして軽くキャッチボールをして、高槻を座らせた。そして俺は深呼吸をして、心を落ち着かせる。そして目を開くとバッターボックスにバッターがいるところを想像する。そして高槻がサインを出す。カットボールか、まずは様子見ってところか。
俺はストレートと同じ振りでカットボールを投げた。俺のカットボールは急に曲がるからバッターの空振りを誘いやすい。まっスラよりは曲がるぞ。
「ナイスボールです。相変わらず構えたコースに投げてくれますね」
「キャッチャーの言う通り投げれば打たれないからな」
ここまでコントロールを良くするのは苦労したが。下半身も強化しないと思った通りの球が投げれないから坂道ダッシュを良くやったな。まだまだ下半身は強化したいからこの後も走るんだがな。ピッチャーは下半身の体力も必要だから下半身を鍛えなきゃいけない。
「信用されて嬉しいです。次はこれです」
ストレートか、ここで空振りを誘うのか。そして投げて想像したバッターは空振りをした。そして次はインコースにスライダーで見逃し三振を狙うのか。俺は腕を振り投げた。するくっと曲がって見逃し三振を取った。その後も投げ込み100球ほどで投げ終えた。
「調子いいですね。夏まで維持してください」
「ああ、そうだな。ちょっと休憩したら坂道ダッシュしてくるわ」
俺は部室に向かった。すると冬優花が部室からでてきた。何か持っているし、手伝うか。
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